第3章 33「命よりも大切な」
「俺の剣をどこにやった⁉︎」
そう言うとドゥラルートはフッと笑ってから話し出した。
「わざわざ敵に武器を持たせるアホがどこにいる?」
俺の剣は今、手元にない。つまり反撃ができない。
「ユニアは…ユニアはどこだ!」
「ユニア?あぁあの金髪の娘か」
ドゥラルートは指をパチンと鳴らし、兵士たちに何かしらの合図をした。
兵士が連れてきたのは俺と同じように身動きの取れないユニアだった。
「彼女も貴様と一緒に殺そうと思ってな、取っておいたのだよ」
「てんめぇ‼︎」
ガラガラの声でできるだけ喉を唸らせる。
「おいおい、そんなあからさまでいいのか貴様は…くくく…ふはははは」
いきなり笑い始めたドゥラルートを不審に思いながらも俺は縄から抜けだろうと尽力する。
「そうだなぁ…貴様にとってはこの娘を殺すより、目の前で犯された方がダメージを受けるのかな?」
「ッ…」
思わず息を詰まらせ、ユニアの方を見ると涙ぐんだ目でこちらを見ていた。
「や、やめろ!バカ!殺すぞコノヤロー‼︎」
「はぁーはっはっはっはっは…わかりやすい…わかりやすいぞ魔王よ。そうかそんなに嫌か…だが、私の怒りはこんなんでは収まらん。決してな」
嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…
「ユニアに手を出すんじゃねぇ!」
そう言った瞬間、頬に痛みが生じる。
「ならば…守れなかった自分を恨め。簡単に我が娘を手にかけた自分を恨め。その無念を晴らそうと奮闘した息子を蔑ろにした自分を恨め」
「マサキ様!」
俺はできるだけ頭を低くし
「俺は…どうなってもいい…彼女だけは…彼女だけはなんとか…」
そうして自分の頬にまたダメージを加える物体を捉える。ただ蹴られただけだった。
「貴様一つの命では償いきれんよ」
指をまたパチンと鳴らし、
「やれ」
静かにそう指示したドゥラルートの意思は俺にでもわかる。
腹のあたりがムカつき、ありったけの声で叫ぶ。
「やめろ…やめてくれ!おい!聞いてんのか?やめろって言ってんのが聞こえねぇのか!おい!ごら!」
必死に叫んでも誰もこちらを振り向かない。
「ま、マサキ様!」
震えた声が聞こえる。不安を隠しきれないその声に更に怒りが加速する。
「やめろよ!おい!いい加減にしやがれ!」
そう言う間にユニアの上半身の服が破られ、白い肌と、胸に着いた下着が露わになる。
「やめろ…やめてくれ…」
俺のどこから出した声なのかわからないほど情けない声にこちらを見るユニアは優しく微笑んでいた。
「大丈夫ですよ…マサキ様」
泣きそうな目でそう言うユニアを見て、俺の中で何かが壊れた。




