第3章 25「VS影マサキ」
「ていやああぁぁ‼︎」
「はああぁぁぁ‼︎」
テニーと共に叫びながら『影』となったマサキに斬ってかかる。少しだけ情けの心はあるが元に戻すにはこれしかない。
マサキの身体を覆う、黒いオーラは今までの『影』より数段硬く感じる。私たちの刃は金属音と共に跳ね返されてしまった。
「っチ」
舌打ちをし、再度飛び込むとマサキの攻撃対象が私になっていたらしく、黒の大剣が迫っている。
回避!
そう思ったときには身体は反応してくれない。
キィン!と、いう音と共にその剣は動きを止めている。黒の大剣をある一本の刀が相殺していた。
「起きろや…マサキ…」
刀を辿るとそこにいたのは先程まで伸びていたはずの鬼、飛鬼だった。
「うおぉぉ‼︎」
飛鬼が剣を止めていると後ろから一つの影が姿をあらわす、身体からピリピリと雷が放電しているミッダだ。
ミッダは硬いマサキの身体に自分の刀を刺すと
「おらぁぁ‼︎」
ミッダの身体から放電している雷がパワーを増し、飛鬼を巻き込んで電撃を加えている。
「飛鬼さん!ミッダさん!」
土煙が上がり、そこにある人影は依然三つ。少し、土煙が収まると段々とその姿が明らかになる。
一人は口から煙を吐き、白目を剥いている飛鬼。二人目は息を切らしながら刀を突き刺しているミッダ。三人目は今にもまた動き出しそうな『影』マサキ。
今現在、不利属性の神剣『地』が無いため、有利属性の『樹』か五分の『嵐』の神剣しか敵がいないマサキの『炎』の神剣はとんでもなく強い。
毎度毎度マサキ様の神剣の使い方には驚かされるが、本来の使われ方をされた神剣は無慈悲な暴力だ。工夫も知恵もいらない圧倒的な性能。
『炎』の神剣は元々、他三つとの性能差があると聞いていた。
確か、『樹』『嵐』は軽々と倒せ、『地』だけが唯一の対抗策だとか…
攻めあぐね、ミッダ達と『影』を包囲して立ち止まる。
「どうしましょう…」
私のその言葉にミッダや飛鬼達は言葉を失っている。
「ちょっと失礼します」
そんな意気揚々とした声に振り向くと、顔の横を風…否、岩が通過して行く。
「え?」
自分の横を通った無骨な岩に一瞬戸惑いながら『影』の方を見るとまともにダメージが入ったようで、随分と遠くまで飛ばされている。
「おまたせ。みなさん」
そんな言葉と共に私たちの前に現れたのは短い金髪と鋭い目つきが特徴的な、こないだまで我々の国に侵攻してきた『ルナラナ』出身の少年
「ユウラさん!」
茶色のローブを身に纏った少年を見たミッダと飛鬼達は開いた口が塞がらないという状態だった。




