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第3章 24「仮定 想定 肯定」

 マサキ様…一体どこに?

 先程から魔王の幼き表情だけを追い求めて走り続ける私とテニーはとうとう町の中を探しきり、ここに彼がいないことを確信した。

「いないみたいね」

 確認するようにそう問いてくるテニーに頷く。

「もしかしたら広場に行ってるかも」

 私の意見にテニーは賛同し、また先程の広場に駆け戻る。

 そこの光景は先程とは変わっている。黒ローブの姿はどこにもなく、黒ローブと戦っていたミッダは炎を操る『影』と戦っている。

 黒ローブが逃げたのか、それともミッダが跡形がなくなるほどの何かをしたのかは不明だ。

 広場を見渡すが、やはりそこにマサキの姿は見当たらない。

 見当たらないのはマサキだけでは無い。先程、巨大な火柱を上げた犯人も見つかっていない。

 今この場にいるのは全員が剣士に見える。この世界の魔法はロッドやステッキなどの魔力を一点に集めるアイテムを必要とするため、この場にその犯人はいないと断言できる。

 なぜなら、あれほどの魔法を放ったモノが魔法を専門職にしていないはずがないからだ。もしそのような人がいたなら、それはもう神剣使いに匹敵する力を持つだろう。

 そこで一つの仮説を思いついた。

 もし、あの『影』が先程の火柱を起こしていたら?

 可能性があるとしか言えないが恐らく無理だろう、なぜなら『影』の状態で魔法を使えるモノなどほとんどいない。一度出会ったことはあるがその人は今、牢獄だ。

 だとしたらあの炎は『影』のまだ私たちが知らない特殊効果と考えるのが普通だろう。

 でも、魔法以外にもあの火柱を上げることはできる…

 仮説を重ねていくうちに一つの一番考えられる上で可能性が高いものにたどり着いた。

 今…暴れている『影』の正体が…マサキであるということだ。

 それならばさっき上がった火柱は神剣の炎だ。マサキがこの町の中で見つからなかったことにも説明がつく。

『影』はまるでユニアの仮説を肯定するかのように黒の大剣を握りしめた。

 息を詰まらせ、一瞬呼吸を忘れた。

 どうやら隣にいるテニーもその答えにたどり着いたようだ。

「どうする?」

 私が聞くとテニーは一瞬顔に困惑の色を浮かばせた。

「戦うしか…」

 考えていたことは私とそれほど変わらなかった。

 今までのことから『影』は一定のダメージ量で自分の『影』としての状態を保てなくなる。だとすれば、することはやはり戦闘だ。

 私は片手にレイピアをテニーは両手にナイフを持ち、臨戦態勢に入る。

 先程まで大人数に囲まれていた『影』はいつのまにかたった三人に囲まれているだけになっていた。

 レイピアを握り直し、テニーと呼吸があった瞬間、戦場へと足を踏み込んだ。

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