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第3章 18「影の記憶」

「ミルドさん!」

 俺の呼びかけに応え、魔族のミルドはこちらを振り向いた。

「やぁ…」

 相変わらず顔色は青白い、周りにも多くの魔族の人がいるため普通に馴染んでいる。どちらかといえば俺の方が浮いているだろうか。

「今から魔封じの牢獄に行きたいんですけど」

 魔法の発動をさせない魔封じの牢獄は『影の獣』が入っている独房と同種のものらしく彼と同じ『影』の方々は念のため同じようなところに入れるようにしている。

「あぁうん…案内するよ」

 ミルドの後を追って着いたの灰色の煉瓦造りの建物だった。

「昨日の人たち?」

 ここに来る目的はそれくらいしかないと思ったのだろう。俺は無言で首を縦に振った。

「あんまりダメージ入れてないから多分まだ意識不明ってことはないと思うけど…」

 ミルドに案内され、地下に降りるとそこにある牢獄に彼らはいた。

「オイ!なんで俺たちはこんな所に入れられてんだよ‼︎」

 威勢良くそう言ってくる青年は俺たちが昨日倒した『影』だったモノだ。

「そんなのわかってるだろ…」

 ミルドの質問に彼は軽く首を横にして

「は?」

 と、言った。

 状況が飲み込めない。彼らは『影』だったからその牢獄の中にいるのだ。その張本人たちはすっとぼけているようにも見えない。

「ねぇ君さ家はどこ?」

「なんでてめぇみたいなガキにそんなこと言わねぇといけねぇんだ」

 俺の質問に対して不良やヤンキーのような返答をする青年にミルドは一つ咳払いした。

「この人は…魔王様だよ?」

「は?魔王はもっとガタイが良いおっさんだろうが!」

 自分の知名度の低さに愕然となるが、アレを見せたら分かってくれるだろうか。

 床に自分の体長程もある大剣を突き刺し、青年を見る。彼は彼で状況が飲み込めなくなったようで口をパクパクさせている。

「すみませんでしたー‼︎」

 土下座して俺に謝り倒してくる青年。

「気にしないでよ。よくあるんだ」

 その言葉に顔を上げ、さっと直立する青年に一つの質問をぶつける。

「さっき自分がここにいる理由がわからないって言ってたよね?」

 俺の言葉に大きく頷き返答してくれた。

「うっす。なんでここにいるのか検討もつかないっす」

 急に後輩が先輩に使うような敬語に変わった青年が嘘をついてるようには見えなかった。

「じゃあどこまで覚えてる?」

 そう聞くと青年は自身の顎に手を当て、自分の記憶を掘り起こした。

「そーっすね…果物屋で買い物したまでは覚えてんすけど…」

「そこは一体どこ?」

 俺のいきなりの質問にさらに言葉を繋げる。

「あ、サファラっす」



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