第3章 7「魔法陣を作りに行こう」
「ねぇ!」
会話をしていたユニアとテニーがこちらを向くが、俺の中で言葉が詰まった。
「あ…えっと…」
俺が聞いた歴史とユニアが話してくれた歴史は違っていた。
どちらが本来の歴史なのか、そこをハッキリさせなければ俺の発言の正当性は変わってくる。
「どうしたんですか?」
不思議そうな顔で顔を覗かせる二人。
「ごめん。俺の思い違いだ」
まずはミルドに確認しなければ…
「ねぇユニア、ミルドって基本的にどこにいるかってわかる?」
ユニア曰く、ミルドは魔族の郷にて修行中らしい。
場所はそれほど遠くないらしい。徒歩なら四日ほど、ドラゴンを使えば数時間という。
「ユニア今日暇してる?」
「魔族の郷へ行くんですね…わかりました。ホプスに乗せて連れて行きましょう」
「ありがとう!」
「ちょっと待って、『影』の相手はどうするのよ?」
俺たちがいない間の『影』の対策には思い当たる人たちがいる。
ユニアとテニーを連れて食堂から出て、階段を駆け上がる。
向かったのは道場のような場所。
「たのもう!」
そう威勢良く入ると、
「何か用か?」
大量の門下生と思われる人たちの目の前に座るミッダがそう答えた。
「お!マサキじゃないか!」
そう言うのは一番ミッダと近いところに座っていた鬼、飛鬼だ。
「話があるんです」
俺たちは道場の中へ入り、事情を説明した。
「俺たちが魔法陣を作るまで町を見回って欲しいというかなんというか」
「おぉ!俺たちに任せておけ!」
頼もしい返事をしてくれる飛鬼。
「まぁ仕方あるまい」
仕方なく了承するミッダ。
ミッダは本当に道場にいるときと日常会うときではキャラクターが全然違う。
「ありがとうございます!」
町のことは頼んだ。
あとは俺たちがあの『影』について解明するだけだ。
ミッダ達に挨拶し、屋上へ向かった。
「ホプス。仕事だぞ」
そう言うユニアにホプスはキュルルと返事をする。
「ホプスー!久しぶりだな!」
俺はザクトに行って以来会っていなかったホプスに首元から抱きついた。
ホプスは俺の頬に顔を擦り付けてくる。
「おぉ!かわいい」
「う、うん…」
後ろから聞こえる咳込む声で現実に引き戻された。
「すんません…」
「全くホプスに会うと冷静さを失うんだから」
ユニアは呆れたようにそう言った。
「へぇドラゴン好きなんだ」
逆にテニーは興味ありげにこちらに聞いてきた。
「男はみんな好きだろ?ドラゴン」
「んーん?よくわかんないけど」
「さ、行きますよ」
俺とテニーの会話を切り、ユニアはホプスの上から俺を呼ぶ。
「おう」
ユニアの後ろに乗り込み、下のテニーを見た。
「んじゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
俺がテニーに手を振っていると
「掴まってください!」
ユニアにそう言われ、振っていた手でユニアに掴まる。
「行きます!」
その言葉を合図に重力に上から押される感覚を覚えながら空の旅へ出た。




