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第3章 5「夜の町をぶらぶらと」

「今から町へ出ようか」

 時刻は既に六時、基本的には夕飯を食べるなり、風呂に入るなりする時間帯だ。

「なぜ町ですか?」

「『影』がいるかもしれないから…」

 不安で不安で仕方がない。

 自分が知らないうちにあの化け物が人を襲い、知らず知らずのうちに人の命が消えていくのが。

 俺の不安な表情を察したのか、ユニアは優しく声をかける。

「わかりました。行きましょう」

 ユニアと夜の街へ繰り出した。

「でも、『影』がそんな町にいっぱいいるんですかね?」

「わかんない。でも、知らないうちに人が襲われでもしたら…」

「そうですね」

 俺とユニアはあまり言葉を交わさないまま、騒がしい町で耳をすました。

 この世界に四季があるのか、今が何の季節にあたるのかはよくわからないが、その夜は気持ちが高ぶっているせいか、気温のせいなのか、あまり寒さは感じなかった。

 その夜は特に何も起こらなかった…多分。

 帰ってきたのは朝方。

 日が昇ったのを感じて、俺たちは城へ戻った。

「何もありませんでしたね」

「そうだね…」

 嬉しいような、悲しいような…

 日が昇ったのは大体朝四時、身体は疲労困憊で立ったままでも眠れそうだ。

「ユニア…一旦寝よ」

 ユニアはコクンと頷いた。

 部屋へ直行し布団へ潜り込むと、誰かと一緒に寝ているように心地よい温かさを感じる。

 …そいえばテニーが先に寝てたのかも…

 次に目が覚めたのは太陽が丁度真上に上がっていた頃。

 我ながらよくこんな時間に起きれたな。と、誇らしげに思う。

 まだユニアが来ていないのを見ると、まだ寝ているのだろうか?

 俺はユニアが眠る部屋へと向かった。

 部屋に着き、軽くノックしても反応は…なし。

 俺はドアノブに手をかけ、開けた。

 そして何の迷いもなく部屋へ入った。

 そこは眠るためか、カーテンが閉め切られていて薄暗い。

 ほのかにカーテンの隙間から入ってくる光を頼りにユニアのベッドを探した。

 窓側、カーテンの日差しが少し当たるような場所に彼女は寝ていた。

 ユニア。と、声をかけようとしたときに寝ぼけていた頭が目を覚ました。

 自分が前世界なら犯罪紛いのことをしていることに今更ながら気がついたのだ。

 罪悪感に苛まれながらベッドで眠る少女を見る。

 日差しが少し当たっているお陰で少女の金髪は輝き、その美少女さは童話の世界のお姫様のようだ。

 人の気配を感じたのか、眠っていた少女はゆっくりと目を覚まして、こちらを見て驚きの表情をした。

「ま、マサキ様⁉︎なぜここに?今何時…て、ええぇ‼︎」

 普段の彼女からは想像もつかないほど取り乱し、布団を口元まで持ち上げて赤面する。

「すみませんマサキ様…着替えるので出てもらっていいですか?」

 恥ずかしながらそう言う彼女が可愛らしくて、微笑ましい。

 恐らく俺は今、自分でも引くほど気持ち悪い顔をしてるんだろう。

 薄暗かったことで俺の顔があまり見えていないことを願おう。

 そんなことを考えながら部屋を後にした。



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