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第3章 2「教養のお時間」

「ではマサキ様。準備はよろしいですか?」

 ユニアのその言葉に思わず息を飲む。

「教養のお時間です」

 そう言って始まった久しぶりのお勉強タイム。

 俺はユニアとクランに連れられクランの通う学校へと向かった。

 そこの図書室を貸切状態にし、今ここで授業が始まろうとしている。

 それにしても一つ気になることがある。

「クランは授業とかないの?」

 俺の隣で俺と同じくユニアの授業を受けようとしている少女のことだ。

「え?」

「授業があるから学校に来たんじゃないの?」

「あ、私は授業無いんです」

「何故?」

「この学校で習う予定のことを自分で勝手に勉強しちゃって…出席日数のために授業は受けなくても、学校には来いって言われてるんです」

 そんなことを普通に語る彼女はきっと俺が思っていた以上にとんでもない天才なのかもしれない。

「こほん…よろしいですか?」

 少し怒り気味のユニアがこちらに視線を送る。

「あ、ごめんごめん」

「では…」

 そう言ってユニアの授業が始まった。

 ユニア曰く、この国の名前は『サファラ』これは来てすぐにユニアから聞いた王都の名前と同じだ。

 そしてユニアが見せてきた世界地図はどことなく前世界の面影があるものだった。

 一つ俺が知っているモノと異なることを教えられた。

 それはこの国の歴史のこと。

 この前、光明寺でミルドから聞いた感じだと二人の神の争いの後、アルムスの民をサドルカの民が追い出したような内容だったと思う。

 しかし、ユニアの言う歴史はそれとは根本から異なっていた。

 それはまるでサドルカが絶対の正義で、アルムスがそれに相対するようなそんな内容で、サドルカの民がアルムスの民を押し出すことがまるで正当なことだったかのようにユニアは語った。

「俺の聞いた歴史とはなんか違うような気がするんだけど?」

 俺は頭に思い浮かんだ疑問を何気なく口にしてみた。

「ついでにどんな内容ですか?」

 そう聞くのは隣に座り、さっきまで眠たげな表情をしていたクランだ。

「あぁ…」

 俺はこないだミルドから聞いた話を思い出して話した。

「なるほど…確かに食い違ってますね」

 顎に手を当て、考えるような素振りを見せるクラン。

「これを見てください」

 そう言ってユニアが見せてきたのは歴史の教科書だろうか、この国の歴史を書き綴った本だ。

 その本には確かにユニアから聞いた歴史が書かれていた。

「そんな…」

「それは一体誰が言ったのですか?」

「ミルドだけど…」

 ミルドが嘘をついていたのか?

 でも、だとしたらその場にいた飛鬼が否定してくるだろう。

 二人がグルになって俺を貶めようと?

 いや、共に戦い、背中を預け、剣を打ち合わせたあの人たちがそんなことするはずが…

「どうしました?」

 心配そうにそう言うユニア。

「いや、いいよ」

 ユニアにそう言って授業を続けるよう促し、授業は再開された。

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