第3章 1「学校はトラウマ」
「さぁ何しよっか?」
隣で一緒に歩くユニアになんとなく、聞いてみる。
「そうですね…とりあえず何か考えますか?」
「そうだね」
「まぁここで考えてても始まりませんし、町でも行ってみますか?」
「ん?あぁそうだね」
ということでユニアと町を歩き始めて早数十分。
俺の中に一つの疑念が生まれた。
それはこの現状、女の子と二人で町をぶらぶら…これは客観的にはデートとかと揶揄されるものなのでは?
別に勘違いされちゃうかもとか、そういうんじゃなくて…知り合いに見られた時、説明が面倒くさそう…
「あれ?魔王様?」
そう言うのは俺が知る限り一番の博識な少女、クランだ。
「ユニアさんと一緒にお買い物ですか?」
どうやらいらぬ心配だったようでそっと胸をなでおろした。
「まぁそんなとこかな」
普通に買い食いや買い物はしていたので嘘ではない。
「クランは今からどっか行くの?」
「私は今から学校です」
学校…その響きを大変久しぶりに聞いたような気がした。
「学校か…」
「よかったら一緒にどうです?」
「やだよ。トラウマだよ」
頭を回転させるより先に口から出てきたその言葉は前世界で殺された場所が学校だったことが原因だろう。
「そうですか…」
クランは少し残念そうに俯いた。
「そいえばマサキ様はこの国のことってどれくらいご存知なんですか?」
「え?」
ユニアからのいきなりの疑問に俺たち三人の空間が固まる。
はっきり言って何も知らない。
この国の名前も歴史も最高責任者も…
いや、最高責任者は俺か。
「えーっと…」
「まさか何も知らないとか?」
「…」
沈黙を肯定と受け取られたのか、ユニアは一度ため息をついた。
「じゃあ学校に行きましょう。とりあえず」
「授業でも受けさせるつもり?」
せっかく異世界に来て勉強しなくてよくなったと思っていたのだが…
「いえ、そんなつもりはありません」
「じゃあ、どうするおつもりで?」
「私が勉強を教えますから」
「えええぇ…」
外交の話から思わぬところに話が飛んで行ってしまった。
「ユニアさんユニアさん。外交のお話は?」
「そんな無知の状態で話しても意味がないでしょう」
「ごもっともです…」
ユニアの自論に反論する気が失せる。
なぜならこちらもしっかり理解するくらいの正論なのだから。
「さぁそうと決まれば行きましょう」
そう言ってユニアは何気なく俺の手を取って引っ張って行った。
「そういうことだからさクラン。早く学校行こう」
「え?あ、はい」
クランの手首を掴み、三人仲良く手を繋いで学校までの道を歩いた。




