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第2章 26「すれ違い」

「おまたせっす」

「はぁ…俺たちもそんなに暇じゃないぞ?」

 飛鬼とミルドにあいさつすると、飛鬼は呆れたようにそう言った。

「まぁまぁ…今日も光明寺行くの?」

「はい。昨日みたく話してくれれば面白いかなって」

「そっか…了解」

 ミルドは思いの外、快く了承してくれた。

「めんどくせぇ…」

 そう言いながらも飛鬼もちゃんと来てくれた。

「じゃあ行こうか光明寺」

 俺たちは昨日と同じく光明寺に向かった。

 そこではまた、飛鬼とミルドがこの国の神の話をしてくれた。

 その話を昨日も聞いていた俺はあの少年を呼び出し、少し話すことにした。

「この国はどう?」

「思ってたより、全然良いところだよ」

「そっか、なら良かった」

「あんたは本当に魔王なの?」

「まぁ一応ね」

「あんたが魔王ならなんとなく安心だな」

「そりゃどうも。ところで君の名前はなんていうの?」

「俺?俺はユウラ。あんたは?」

「俺はマサキ」

「変わった名前だな」

「まぁそうだね」

 ユウラの発言に苦笑し、世界が違うが故の名前の違いを感じた。

「ところで、そのアザは本当に転んだの?」

「…」

 ユウラは何も言わずに首を横に振った。

「じゃあどうしたの?」

「昨日、マサキさんと別れたあとあの見張り役に牢獄から出されたんだ」

「え?」

「それで…」

 ユウラは苦虫を噛み潰したような表情で話そうとしていた。

「いいよ…大体わかった」

「今から、城に戻ろう」

「他の奴らは?」

「まぁ飛鬼さんとミルドさんに任せときゃ大丈夫だろうよ」

 俺は飛鬼とミルドに事情を伝え、ユウラと共に城へ戻った。

 牢獄のところまで行き、見張り役の魔族の青年に話しかけた。

「ねぇ、さっきはなんで嘘ついたの?」

「は、はい?」

 戸惑ったような顔をして聞き返して来た。

「だから、なんで派手に転んだなんて嘘ついたのかって聞いてるの」

「私は嘘などついてないですよ」

「でもユウラはお前に呼び出されたって」

「ユウラってそこの奴のこと言ってるんですか?」

「うん」

「私の言葉より敵兵の言葉を信じると言うのですか?」

「名前も知らないお前よか全然信用できるし、ユウラが嘘をついてるようには見えなかったし」

「っく」

「さぁどうなんだよ?」

「ッチ…そうですよ。私がやりましたよ」

「なんでそんなこと…」

「気に食わなかったんですよ。こいつら敵国の人間を連れ回して楽しんでるのが…味方の俺たちばっかり傷ついて、こいつらが楽しんでいるのが気に食わなかったんですよ」

「そうだったのか…ごめん…配慮が行き届いていなくて」

「ック」

「じゃあ…」

「もういいですから‼︎」

 そう突き飛ばされ、俺は牢獄から追い出された。

 ユウラはそのまま中へ戻って行った。

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