表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/316

第2章 9「木の巨人」

「「「ぎゃー‼︎」」」

 ダンジョン入ってすぐに出会ったボス、『木の巨人』に先程から追いかけ回され、攻略が一向に進まない。

「ユニア、ちょっとクランを守っててくれる?」

「は、了解です!」

 俺がしようとしていることを察してくれたのかユニアは笑って了承した。

 身体に力を入れ、黒い大剣こと炎の神剣を取り出す。

 大剣から炎を出し、バランスを保つ。

 相手の右足の方に剣を向けて加速する。

「てやー!」

 剣は勢いよく木でできた右足を斬りつけた。

「よし!」

 上手くいったと思い、背後を振り返る。

 すると右足はみるみる形を戻し、いつのまにか元通りになってしまっていた。

「うっそ」

 林属性の回復力がすごいのは『蘖』を通してわかってはいた。

 しかし、これほど回復が早いともはやチートだ。

「ちくしょー!」

 手足を切っても無駄だと感じ、一気に首を斬ることにした。

 足を斬りつけたものの木の巨人は一切こちらに興味を示していない。

 ふと自分が敵の攻撃対象になっていないことに気がついた。

「ユニア‼︎」

 木の巨人が拳を落としている方向を見ると、そこには炎の盾を張ったユニア、その背後にはクランがいる。

 つまり標的(ターゲット)はユニアとクラン。

 そう考え、木の巨人の右肩に剣を向けた。

 早急に回復されるのは理解しているが、標的を俺に向けることは可能だろう。

 剣が右肩向かって飛んで行き、突き刺さった。

「おおおおお‼︎」

 剣を真下に振り下ろすため加速する。

 上に炎が上がり、剣から上の肩が消えている。

 そのまま振り下ろし、木の巨人の肩を斬ることに成功した。

「うぼっと」

 切ることに意識を向けすぎて背後から飛んでくる拳に気がつかなかった。

 木の拳に殴り飛ばされ、地面まで一直線に飛ばされた。

「マサキ様‼︎」

 遠くで自分を呼ぶ声が聞こえる。

「いってぇ…」

 不意打ち過ぎて防御も減速もできずモロにパンチを喰らった。

 しかし幸運にも木の枝やツルなどのおかげで知らぬ間に減速していたようだ。

 大事には至っていない。

「あいつ、ぜってぇ許さねぇ」

 少し呼吸が乱れ始めたのを自覚し、黒い大剣を二つの剣に分ける。

「ふぅ…」

 大きく息を吐き、標的を完全に見失っている木の巨人に右手の剣を向ける。

 左手の剣を後ろに構え、右手の剣を加速する。

 剣はズンズン加速し、一瞬で首元までたどり着いた。

「おりゃあ!」

 ミルド戦の時、剣の刃に炎を纏わせることに成功した。

 その後、ミッダや飛鬼との修行の時に炎によって剣の刃を拡張するようなことができるようになった。

 拡張された炎の刃は数メートルに及び、木の巨人の首を斬り落とすことに成功した。

「やったか?」

 不意に口から出てしまったこの言葉、前世界ではアニメやマンガで強敵を倒したと『思った』時に出てくる言葉だ。

 つまり木の巨人は…

「まだ倒れてくれないわけか…」

 木の巨人はしっかり二本の足で立ち、すぐに首から上の修復を終えた。

 自分の口から出てきた言葉を恨みつつ、一度木の巨人から離れ地に足を着ける。

 そこにはユニアとクランが身を低くして隠れていた。

「ユニア、あいつの弱点って一体どこ?」

「ああいう系の召喚魔獣にはどこかに魔力を貯蔵するコアがあるはずです。それを壊してしまえば、魔力がダダ漏れになって奴の動きは止まるはずです」

「そうかコアか」

 コアといったら胸元や額に付いているのがお約束だがそういったモノは何も見つからない。

「で、そのコアはどこにある?」

「どこにあるかなんて知りません…そこら辺は完全に製作者の趣味なんです」

「趣味なのか…まぁでも斬ってればいつか当たるだろ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ