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第7章 49「裏・変わったこと、変わらないこと」

 ガルガは今、罪人マサキに魔王の証である炎の神剣を奪われてしまった魔王ということになっているらしい。

 ヴァンドはユニアのようにガルガのお目付役としてガルガと寝食を共にしている。

 残りのメンバーは召集があるまでみんなそれぞれ好きな生活をしている。

 例えばエヌは今まで通りに学校に通い、勉学に励んでいる。

 パリィとルルは城にある研究所みたいな場所を使って日夜何かしている。なぜかウルルもルルの研究所にいる。

 ミルムはあれからも魔族の郷で何食わぬ顔で兄ミルドと共に生活している。

 かく言う俺はショートと岩鬼と共にいつも通り工事現場でバイトして生計を立てていた。

 別に召集がかかることもなく、ただただ普通の暗殺家業も何もない平凡な日常が二ヶ月ほど続いた。

 国のトップが変わったということでこの国にも少なからず変化があった。その一つとして外国人を見なくなった。

 前魔王マサキは外国との国交を望み、色んな国に行ったり貿易したりしていたが、現魔王ガルガは完全なる鎖国主義者なため、今町を闊歩するのは黒髪の人間と動物特有の毛や鬣を持つ獣人くらいのものだろう。

 外国人が国からいなくなったというのは大きな出来事だが……ガルガが魔王になってからというもの、マサキが魔王だったときよりも治安が悪くなった気がする。

 最近では町中でのケンカなんて日常茶飯事であり、取り締まるべき軍の連中も面倒くさいのか見て見ぬ振り、スリや窃盗なんかも増えていると聞く。

 言ってしまえば戻ったのだ。マサキの一つ前の魔王、失踪したエルレ=クセルトスの時代に。

 敵無しで最強だったサファラの時代に。

 王様なんてただの置物、いたっていなくたって関係ないと昔は思っていた。が、今はそうでもない。

 こうして真逆のような性格をした魔王を体験してみると、世界というものはやはり王の存在で変化するものだと実感した。

 マサキは嫌いだ。今までの国の方針を無視して外国と友好関係を築き、彼が魔王になってからというもの外国人がこの国に比べ物にならないくらい来るようになってしまった。

 しかし、彼の時代は平和だった。魔王自体が穏やかだったからかも知れない。争いを好まず、国は外国との貿易で栄えていた。

 俺にはエヌが学校で食べる弁当を作ったり、岩鬼やショートと共にバイトをして一緒にご飯を食べたり、ルルに危ない実験に付き合わされたり、ウルルに噛み付かれたりするくらいの日常がちょうどよかった。

 他の人がどう考えているのかはわからないが、俺はそう考えている。

 だから最近、寝る前にふと考える瞬間がある。


 俺は本当にガルガについて正解だったのか?

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