第7章 46「動かぬ証拠は己自信」
「闇の力……ですか?」
「そうでもなきゃ、君がこちら側にいるわけがないんだ」
ユニアに闇の力が?どうして?ユニアは俺のように心臓にサドルカの剣を刺したわけじゃないだろうし、魔族でなければエルフでもない。ただの外国人とのハーフで……
自分の記憶の中に引っかかりを感じた。
あれ……そういえばそうだ。
サドルカの剣はアルムスの剣同様に使える人間に限りがある。
アルムスはよく知らないが、サドルカの剣を持つ条件は十分な闇の力。
俺が初めてサドルカの剣と一体化を行ったときにその剣を抜いたのは誰だ?
触ったのは誰だ?
記憶の中から探し出す。
『私を頼ってください』
ユニアの声で脳内に再生される。
『私はどんな貴方も受け入れます……』
あぁ、そうか。
『だから帰ってきてください……』
思い返してみればそうじゃないか。
『弱くて優しいいつもの貴方に……』
「あぁ、そうだったんだ……」
「何がですか?」
俺の独り言にユニアが反応した。
「ありがとう。ユニア」
「どういたしましてって、どうしたんですか?マサキ様」
俺は知らないうちにユニアに助けられていたのか……
「シグマさん。ユニアには闇の力があります。それもサドルカの剣を使えるほどの」
「へぇ、そりゃ驚いた。闇の力があるとは思ってたけどまさかそこまでとはね」
「え?マサキ様、どういうことですか?」
ユニアは自身のことながら理解しておらず、慌てふためいている。
「ユニア、俺がシャグルー……っていうかサドルカの剣を心臓に刺した後さ、その剣をユニアが引き抜いたでしょ?」
そう聞くとユニアはコクリと頷いて、少しだけ頬を染めた。
「あんまり疑問を持ってないみたいだけどサドルカの剣にも握るために条件があるんだよ」
ユニアは自身の掌を眺める。
「じゃあ、私には闇の力が……」
俺は首を縦に振った。
「でも、どうしてです?私はただの外国人とのハーフ……で……」
ユニアの言葉が急に減速する。
ユニアはもう一度自身の掌を眺めた。
「エルレ……エルレ=クセルトス……」
ユニアの言う名前は先代魔王の名だ。その名前に反応したニーナが話した。
「なるほど、先代魔王ですか……確かにそれならありえます。それにユニアの父が先代魔王だという証拠に……」
ニーナの口を無理矢理塞いだ。過去、ユニアは自身の親がエルレだと聞かされたとき酷く混乱していた。
また、あのようになって欲しくなかったのだ。
「はは、そうですか……わかりました。私の名前は『ユニア=クセルトス』最強最悪の魔王エルレ=クセルトスの血を引くものです」




