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第7章 44「取調べの時間」

 シグマに案内されたのはエルフの里の人里離れた山小屋だった。

「さぁ、話してもらいましょうか」

 まるで事情聴取でもするかのように疑いの目をしたユニアがシグマという魔法使いに言った。

「僕は君たちを助けたんだから、そんなに身構えなくてもいいんじゃないの?」

「関係ありません。あなたが味方だと確定したわけではないので」

 ユニアの発言を聞くとシグマはため息を吐いた。

「世知辛いねぇ」

 助けてもらいながら、こんなことをするのは個人的に気が引けるが、今この状態を一番理解していないのが俺なため危機感が足りていないのかも知れない。

「まぁいいさ、何から聞きたい?」

「では、今のこの国の現状から」

「わかった」

 にこやかに応じたあと、シグマは話し始めた。

「ことの発端は……いつかなぁ、とりあえず君たち」

 そう言ってユウラとロウネを指差す。

「君たちが捕虜としてこの国に捕まったときにはもうこの事件は始まってたんだよ」

 ユウラとロウネが捕まっているということは丁度、影の獣が初めて現れた時期か。

「一人のエルフがあまりに愚かなことを言い始めた『グラリール=ガルガレドを三大禁忌魔法の蘇生で生き返らせれば、この国をあの貧弱魔王コノヤローから取り返せるんじゃないか』ってね」

 貧弱魔王コノヤローとは恐らく俺のこと……っていうことはどうでもいい。

「禁忌魔法を使おうとしたってことですか?」

 俺の質問にシグマは首を縦に振る。

「結果は成功とも失敗とも言えないものだった。蘇生できたのはグラリールの魂のみ、体の蘇生までは生贄不足で辿り着かなかったみたいなんだ」

「生贄?」

「禁忌なんて言われる魔法だ。代償なしで使える安いもんじゃない。魔力以外の何かが必要だったんだよ」

 魔力以外の何か……頭に一つだけ浮かんでいたが、それを言葉にするのが怖くてシグマに続きを促す。

「人柱だよ。嫌な話だよね、人を一体何人拉致したら魂を冥界から引きずり出せるんだろうね?」

「その計画にはあなたも関与しているんですか?」

 ユニアがそう質問すると、今度は首を横に振った。

「まさか、僕が知ったのは事後だ。このことを知っていたら止める努力くらいはしてるよ」

 ユニアが何も言わないため、シグマが自ら続きを話し始めた。

「続きだけど、その魂は計画の主犯の中に入り込んでね。ルルーナのとこのご令嬢やらを仲間に引き入れて国巻き込んで大騒ぎよ」

 シグマの言うそれは前回のシャグルーの騒動だろう。

「結局マサキくんがことを収めてくれたけど、それで終わってなかったわけだよ」

「終わってなかった?」

「そう、ルーナはグラリールの部下でしかない。確かにサドルカの剣を使ったたみたいだけど、でも彼女は親玉じゃないんだ。彼女と同じで黒いローブを着たやつが本当の親玉ってわけ……で、その親玉が動き出したのが今回の事件なわけさ」

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