第7章 42「神出鬼没の長髪」
「罪人……俺が?」
「さぁ、大人しくしやがれ!」
「一体俺が何したって言うんですか⁉︎」
するとミッダは呆れたような顔をしてから言った。
「国家転覆罪だ」
国家転覆?身に覚えがない。国を良くしようとしていたはずなのだが、そんな真逆の罪に?そんなわけ……
「ミッダさん。冗談はやめてくださいよ」
「罪人マサキはサファラ国民でありながら、外国を手引きし国家転覆を謀った。間違いないか?」
「間違いだらけですよ!どうしちゃったんですか⁉︎」
するとミッダは俺の後ろの人たちを指差して言った。
「問答無用!後ろにいるその金髪どもが動かぬ証拠だ‼︎」
「何言ってんすか!覚えてないんですか?ユニアにユウラにニーナにロウネ‼︎」
「知らぬ名だ」
そう言ってミッダは剣を構える。
戦うしかないのか……
そんなことを考えていると目の前に一瞬で人が現れた。
「やぁ、軍のミッダくん。ちょっとこの子達借りていくよ」
「な!待て……」
指をパチンと鳴らすと次の瞬間には景色が変わっていた。
そこは以前訪れたエルフの里だ。
「ふぅ、危機一髪だったね」
そう言って振り返る男は高身長で黒髪が腰ほどまであり、白衣を見にまとっていた。
「あ、ありがとうございます?」
「なぜ疑問形なんだい?」
「あなたがまだ味方かわかりませんからね」
「魔王マサキくんも随分と人を疑うようになったねぇ、ロウネちゃん」
白衣の男は視線をロウネに向けた。
「先日はどうも」
ロウネはペコっとお辞儀した。この二人が一体いつどこで出会ったかは不明だが、ロウネはこの男と多少なりとも面識があるらしい。
「ロウネ、この人は?」
俺が尋ねるとロウネは応えた。
「この人は……えっと、なんというか……えっと」
そこで言葉を詰まらせたロウネを見た長髪の男が応えた。
「神出鬼没の魔法使い名前はシグマ、シグさんとかシグマでいいよ。そこのロウネちゃんに『地』の神剣を授けた人」
授けたって、え?
「『地』の神剣をあなたが保持していたんですか?」
神剣というワードにユニアが反応する。そういえば地の神剣だけは行方不明だったんだっけ?なぜかロウネが持っていてユウラに渡した。
そういえば、ロウネは白衣の男から貰ったって言っていたような気がする。
「白衣の男……」
「その通り!僕がロウネちゃんの言う白衣の男その人さ」
シグマはえっへんと言わんばかりに胸を張り、腰に手を当てた。
「シグマさんは今この国に何が起こってるのか分かってるんですか?」
そう聞くとシグマは鼻高々に言った。
「まぁ君らよりかはよく知っているよ。なんて言ったってシグマさんはちょっと凄い魔法使いだからね」
なんだろう、シグマからはちょっとダメな人の雰囲気がする。




