表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
304/316

第7章 40「奪われた剣」

「まぁ、死ね」

「っうぐ……」

 俺に向かって振り下ろされた剣は俺の胸に刺さる寸前で止まった。

「……」

 影は何か考えるように俺の方を見ている。

 もう数センチ剣が落ちれば俺の心臓に冷たい刃が届くことだろう。

「うん、心臓はダメだ。それで一体化(シンクロ)されたらたまったもんじゃない」

 そう言って振りかぶり直す。次に狙うのは俺の首だろうか?

 未だ身動きの取れない俺はただ、その光景を見ることしか出来ない。

「マサキ様!」

 ユニアの声が聞こえるが、その方向からも金属音が響いているのを聞くと、こちらに助けには来れないだろう。

「改めて、死ね」

 振りかざされたサドルカの剣は何かに弾かれた。その後、何度サドルカの剣を振り下ろしても俺の首に届くことはない。届くのは剣と剣がぶつかり合ったときの金属音に似た音。

 なんだろう?飛ぶ……斬撃?アルムスの剣の加護とかそういう話?

 違う!肌を撫でるようなこれは……そう、風だ!

「マサキ!」

 屈強な体に抱えられ、俺と影の距離はどんどん離れていく。

「なんだよ……邪魔しないでよ」

 俺を壁際に連れて行き、壁にもたれかかせるとその男も向き直る。

「そういうわけにもいかねぇんだよ。こちとら、魔王の親衛隊だかんな」

 そこに立っていてたのはミッダと飛鬼、ユニアの方にはオルドとユウラがいる。

「殺したいのはそこの魔王様だけなんだけど……どけるつもりは?」

「毛頭ないね」

 そう言って飛鬼は剣を構える。

「はぁ、なら仕方ない。今回は手を引くことにしよう……次は無いよ」

 影の一人はサドルカの剣を収め、もう一人に合図を送る。

「じゃあね、異世界の人」

 俺に視線を向けながら、二人は影の中に沈んで行った。

「待ちやがれ!」

 飛鬼が追おうとするとミッダが止めた。

「また厄介なのが出たな」

 そう言って俺の方に歩み寄る。

「大丈夫か?随分ひどくやられたじゃねぇか」

「あはは……いてて」

 その後、ミッダに背負われながら城へと戻った。

 サドルカの剣は結局奪われてしまった。これではまた、大規模なシャグルー化を起こされてしまうかもしれない。

 やつらの狙いはどうやら俺の魔王の座らしい。奪って何をするつもりなのか、そういえば前に魔族の郷を訪れた際に黒ローブが言っていたような気がする『あの人の時代を取り戻したい』そう言っていた。

 その時の黒ローブがドュラルートの娘ルーナだったのか、それとも新たな黒ローブだったのかは不明だが、どちらにせよ俺がこの座を退くわけにはいかないのは変わらない。

 そんなことを考えながら目を閉じて、眠りに落ちた。

 安心しきっていた。この城の中は安全、敵は黒ローブと影の獣だけだと思っていたから。

 自分で自分が情けなくなる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ