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第7章 39「自身の墓穴」

「なんで……」

 なんで影の獣(こいつら)が……

「なんで知ってるんだ?」

「ん?君は僕の想像をはるかに超えるくらいおとぼけ君なんだね。自分の発言にくらい責任を持ちなよ?君が彼に言ったのさ……『違う世界の剣技』ってね」

 そうか!確かに俺は牢獄での影の獣戦において昔アニメで見た剣技を模倣してみた。そして確かに……そんなこと言ったような気がしなくもない……

「でも、よく信じたな。そんな根も葉もないような話を」

 すると影の獣は表情はわからないが、当たり前と言わんばかりの口調で話した。

「ありえないなんてことはないさ、君は特殊な存在だからね。黒髪なのに魔力は無い。魔力は無いのに闇の力は扱える。神の剣を二本同時に扱える。君は……この国に……いや、世界にとって特質的な存在なんだよ。なら今更、君が違う世界から来たって言われても、まぁそうかもね。くらいには考えるさ、それにそう考えれば全て辻褄があう。根も葉もない?違うね。君の発言、行動、色んなものを考察した結果さ!悪いけど、こんな後先考えないやつに魔王はさせられない。魔王の座は僕がもらう‼︎」

 なるほど、知らぬうちにボロが出ていたってことか……自分に嫌になる。でも、

「そう簡単に魔王を譲るわけにはいかないよ。俺まだ現役バリバリだからさ、それにようやく色んな人に王として認められるようになったんだ……お前になんて譲れない」

 そうだ。色んな人に認めてもらった。君ならできると言ってもらえた。なら、俺は簡単に負けるわけにはいかない。

「確かに俺はこの世界の人間じゃない……でも、この世界には俺の大切なものがたくさんある。だから、俺はまだ負けられない!」

 俺はもう一度地面を蹴った。

「うおおお‼︎」

 アルムスの剣を振り下ろす。

 光の斬撃が影の元へ飛ぶが、慌てることなくサドルカの剣で打ち消す。

「くらええ‼︎」

 影の目の前までたどり着くとアルムスの剣を大きく振り上げる。

 それに釣られて影もサドルカの剣を構えて防御の姿勢をとる。

「来い‼︎」

 俺はアルムスの剣をそのままに炎の神剣を呼び出した。

 それは左肩までとてつもない速さで迫り、今は亡き左腕を作り上げる。

「うおおお‼︎」

 アルムスの剣をブラフに使い、本命の炎の拳で影に渾身のボディブローをお見舞いするも俺の手は何かに止められ、俺の拳は影に届くことはなかった。

「甘いってばだから、パンチってのはこうやるんだよ!」

 そう言って影は俺のみぞおちにボディブローを決めた。

「うぉ‼︎」

 膝から崩れ落ち、頭に悶絶する。

「おぅ……あ……う……」

 痛すぎて声も出ない。動けない。息できない。

「これじゃ準備運動にもならないよ。まぁいいか、今殺すも後で殺すも変わらないよな」

 そう言って影は俺の頭上でサドルカの剣を振り上げた。

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