第7章 36「相談受け付けます」
「で、俺を呼び出した理由は何?」
話し合いを終えた後、俺はユウラに呼び出されて庭園にいた。
「あ、あの……えっと」
何か言いづらいことなのかユウラは言葉を詰まらせていた。
まさか剣を構えろとは言われまいな、アレはこの国だけの文化であったくれ……いや、それでも困るのだが。
「実はルナラナに戻ってから一度、エレクスタルから呼び出しを受けたんです」
そういえばユウラがエレクスタルに行ったというのはブレイブ撃退後、連絡したルナラナの王ハンヌから聞いていた。
「それで?」
話の続きを促すと、ユウラはまたも言葉を詰まらせた。
だが、なんとなく……なんとなくだけ、俺はその内容を察していた。
エレクスタルの連中はブレイブ全滅を機に、俺を殺すことに躍起になっているらしいという話はペルイから聞いている。
つまり、エレクスタルでユウラが言われたのは
「俺を殺せってこと?」
そう聞くとユウラはビクッとした。図星なのだろう。コクリと頷いた。
「なるほど。で、ユウラは俺を殺すの?」
そう聞くとユウラは首をブンブン振った。
「俺には出来ないっすよ。マサキさんは俺の仇討ちを手伝ってくれましたし、この国でも随分良くしていただきました。エレクスタルとマサキさんを天秤に掛けたら、エレクスタルなんて一瞬で吹っ飛びます……」
そうは言うもののユウラの口調には元気がない。
「でも……ジルを覚えてますか?」
ジル……ユウラの弟だ。ルナラナに行ったときにお世話になった。
まぁ、少し騙してしまった節もあるが……
「あぁ、覚えてるよ」
「ジルはエレクスタル側の人間なんです。だから、俺ならマサキさんに容易に近づけると思って俺に暗殺を指示してきたんです」
まさかジルがエレクスタルと繋がっているとは夢にも思わなかった。
「俺はジルが大事です。でも、マサキさんも大事です。俺は一体どちらを選べばいいんですか?わからなくなっちゃいました……」
そう聞かれ、俺も戸惑う。俺だってジルは大事だ。でも、今ここで俺が死ぬわけにはいかない。俺にはまだ、やらねばならないことがあるのだ。
「そんな、俺にわかるわけないだろ?俺にはどちらを選べばいいかなんて簡単には答えられない。それはユウラ自身が自分で選ばなきゃ、後で絶対後悔するよ。でも、どんな選択をしようとも俺はその現実を受け止めるよ。ユウラがもし敵になったとしても正々堂々戦う。だから何も気にせず、信じた方を選びなよ」
「そう……ですか。そう……ですよね。なんとなく、そう言うとは思ってましたよ」
そう言うとユウラはニッと笑った。




