第7章 35「謎の呼び出し」
俺たちの作戦は滞りなく成功に終わり、その後一週間で国内の外国人を全て帰還させることが出来た。
「とりあえずこれで国外の人間は巻き込まずに済みそうだね」
俺の発言にニーナが自身を指差しているが無視する。
この一週間で変わったことは鎖国状態にしただけではない。
ニーナの隣で悪い目つきに似合わないマヌケ面で自身を指差す金髪ユウラと、さらにその隣でそんな二人に呆れ、ため息を吐いているロウネがサファラにやってきた。
「で、なんで俺たちは呼ばれたんすか?」
マヌケ面からニーナより早く脱したユウラはそう聞いてきた。彼にはまだ俺たちの国であったことを説明していないのだ。
だが、どうやって説明する?あの影の獣が逃げたことを正直に話すべきなのだろうか?
「えーっと……」
俺が戸惑っているとユウラの横に座るニーナがサクサクと話を進め始めた。
「マサキが昔捕まえた『影の獣』と、呼ばれている者が脱獄しました」
それを聞いただけで対面に座る二人はピクリと動き、空気がピリつく。
「彼らがこれからも出現する可能性を考え、一時的な鎖国状態に、ユウラはこの国の神剣を持っているから呼び出しました」
「本当ですか?」
ユウラのベクトルは完全に俺に向いている。俺は黙って頷いてから口を開いた。
「ごめん」
それ以外の言葉もそれ以上の言葉も出てこなかった。
彼らにとっては仇である存在をみすみす脱獄させてしまったのだ。本当ならば合わせる顔がない。
「なんでマサキさんが謝るんですか?悪いのは……悪いのはその影の獣じゃないですか」
そう言って俺を慰めるロウネ。
「そうっすよマサキさん。仕方ないです。逃げられたならまた捕まえればいいじゃないですか。今度はちゃんと武器もありますし、コテンパンにしてやりましょうよ!」
ロウネに続いてユウラも俺を励ますようにそう言った。
「あぁ……あぁ、そうだね」
そうだ。俺がメソメソしていたって仕方がない。ユウラとロウネの方が俺の何倍も悔しいに決まっている。なら、やらなきゃ、倒さなきゃいけないんだ。もう一度、この手であいつを……
「でも一体どうするつもりなの?まだ手がかり何もないんでしょ?」
そう聞いてくるのはいつの間にかすっかりメンバー入りしたオルドだ。
「そこはまだ考え中です。クランとかいい案ない?」
急に話を振られたクランは一回ビクついてから応えた。
「え、私?私は何も浮かんでませんよ……だって証拠のない犯人を見つけるなんて霧の中を進むようなものですよ」
確かにと全員が頷く。
結局その日は何も浮かばず、一旦解散となった。
しかし、俺は何故かユウラに呼び出されて庭園に向かっていた。




