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第6章 19「可哀想に思ったから」

 マサキと飛鬼と別々の部屋を与えられた私を含めたクランとニーナの三人は室内に備え付けられた風呂に順に入ってから布団を敷き、灯一つを残して女の子だけのお話し合い、所謂ガールズトークなるものを繰り広げていた。

「ニーナさんは何でこの国に?」

 もう倒れることも無くなったクランは外国から来てこの国に滞在中のニーナにそう問いかけた。

「そうですね……簡単に言えばマサキを助けたかったんですよ」

「助けたかった?」

 そう繰り返すのは私だった。ニーナはマサキの神剣などなど唯一無二の武器に興味を示したものだと思っていたからだ。

「はい。私は彼が一人でルナラナに来た時に本物のバカだと思いました。だって、国の王様なのに一人の護衛も付けず、死に物狂いで何人もの人を殺さずに無力化し続けたんです。相手は殺すつもりで来ているのに……そんな彼を見ていて可哀想に思ったんです?」

「可哀想?」

 今度はクランがニーナの言葉を繰り返した。

「彼の国には自分を助けてくれる人が誰もいないんじゃないかって思ってしまって……」

 その言葉は実際ルナラナに最初同行出来なかった身としては少し心に刺さるものがあった。

「そしたら、なんだか無性に彼を助けたくなったんですよ。その後です、彼の身体や装備している武器がとても面白いってことに気づいたのは……」

「ニーナさんもマーさんが好きなんですね」

 そう言うクランに少しドキッとする。マサキと恋愛関係にあるということは隠しているため、なんだか……なんとも言えない気分だ。

 それにニーナさん『も』というのが少し気になる。

「いえ、私はそんなんではありませんよ。それにマサキにはユニアがいるでしょ」

 その言葉に今度は本当にドキッとした。

「え、あ、いや、あの……わ、私とま、マサキ様は、えっと、そんな関係では……」

 顔の温度が上昇していくのを感じる。どうか灯で目立たないでくれと、目の前にある灯に念を送るが儚く散った。

「ユニアさん顔真っ赤ですよ」

 クランにそう言われ、恥ずかしくなって枕に突っ伏した。

 布団の中で足をバタバタさせながら弁解を試みる。

「ほんとに違うんですよ!わ、私とマサキ様が……その、付き合ってるとか……」

 最後あたりは自分で言ってて恥ずかしくなったため自動的に音量が下がっていった。

「隠さなくていいですよ。ていうか隠してると思ってるなら諦めた方がいいですよ?」

 ニーナにそう言われ、枕から頭を上げる。

「そうですよ。日常的にあんなに一緒にいて、あんなにイチャイチャイチャコラしてたら誰だって気付きますよ。多分、王都の人間は大体感づいてますよ」

 クランにそう言われ、驚愕してフリーズしてしまった。

「え……」

 ようやく出た声とともに頭で言葉の内容を処理し終えると、

「えええええええええ!」

 真夜中にもかかわらず、絶叫してしまった。

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