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第6章 14「暗闇の自由落下」

「ユニアさーん」

 暗闇の中を松明一本で歩き初めて三十分程度経過したところで暗くてよく見えないが疲れ始めてきているクランが先頭のユニアに声をかけた。

「もうちょっとです」

「それ以外の答えでお願いしまーす」

 確かに十分ほど前にも同じやりとりを見た覚えがある。

 洞窟の中には生物がいる気配はない。このような洞窟にはコウモリなんかはお約束のはずだが、コウモリどころか虫も小動物もいない。音があるとすれば、水滴が落ちるポツンポツンという不定期な音のみ。

「確か、ここらのはずなんですが……」

 辺りを照らしながらユニアは何かを探し出した。

「何探してるの?」

「石版です」

 そう言われ、俺も黒の双剣を一本持って辺りを照らす。

「あ、あれじゃないですか?」

 ニーナの指差す方向を見ると周りの黒々した石壁とは明らかに違う人工物めいたツヤツヤ輝く綺麗な大理石のような石版が壁にハマっていた。

「マサキ様、アレに手を当ててきてください」

 そう言われ、頷いてから手をゆっくり伸ばして石版にペタッとつける。

 するとゴゴゴ、という地響きとともに目の前の石版が真ん中あたりから割れた。

 その亀裂は壁にまで伝わり、目の前の壁には大きな一本の線が通った。

 ゆっくり力を入れるとそれは思っていたよりも軽々と開いた。

「あ、そうだ言い忘れました」

「なに?」

 ユニアのいきなりの発言に驚き、俺は思い切り石版に力を入れてしまった。

「その下、気をつけてください」

 気をつけてください?疑問に思いながら前かがみになった身体を踏ん張らせるため足を前に出すが、あるはずの地面が存在していない。

「………………」

 ゆっくり後ろを振り返ると全員が苦虫を噛み潰したような顔をしている。

「ぎゃあああああああ‼︎」

 次の瞬間、俺の視点は急激に低くなり暗き闇の穴に吸い込まれて行った。

 反響する声の中に

「私たちも行きますよ」

「何か持ってくるべきだした」

「うそだろ」

「私そういうの無理なんですけど」

 など、口々に聞こえるがそれらの多くは次の瞬間、絶叫に変わった。

 今、俺たちは五人仲良く自由落下中……五人仲良く?

 気づくと周りには後から落ちたはずの四人がいる。

「みんな体重重くない?」

 不意にそう考え、口に出すと女性陣からの視線が恐ろしい。

「まぁ俺は筋肉多いし重いだろうな」

 そんな呑気なことを言う飛鬼と違い、女性陣は俺に睨みを利かせている。

「ははは!女の子にそんなこと言うもんじゃないよ、魔王様」

 そう言うのは足場がないと思われていた暗闇の中を歩いているのはところどころ天然パーマな黒髪が特徴的な褐色肌の少年。

「どちらさん?」

 俺の疑問に少年は笑顔を見せた。

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