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第6章 10「食堂会議」

 食堂で一人、水を飲みながら三人を待った。まずはユニア、次にニーナ、最後にクランが到着した。

 クランはニーナを見ると一瞬クラっとしたようだが、今回は倒れるようなことにはならなかった。

「まずはえっと、こっちはニーナ自称ルナラナ一の発明家でなんかこの国にいる」

 ニーナと対面するように座るクランにそう伝える。次に反対を向き、

「こっちがクラン……頭が良い」

「もっとなんか無いんですか?」

 俺の説明にクランはそんなツッコミを入れた。

 ニーナは腕を組み、観察するようにクランを見つめる。

「とりあえず、何から話すかな……」

 そう呟くとニーナが姿勢良く右手を挙げている。

「はい、ニーナさん」

 ふざけ半分でそう言うとニーナは立ち上がって発言を始めた。

「私はマサキの言っていた『影の獣』ってのについて聞きたいのですが」

『影の獣』通称シャグルーというらしいそいつは過去、サドルカが与えた強大な闇の力を制御し切れず獣と化した人間。

 操れるのは黒エルフの術のみで、生み出せるのはサドルカの力が宿った剣のみ……のはずなのだが。

 俺は要点のみをまとめて過去に起こったシャグルー事件とシャグルーについてわかっていることを説明した。

「なるほど、興味深いですね」

 頭を沈めながらニーナは何かブツブツ呟いている。

「で、今回の原因はその剣ではないんですよね?」

 そう聞くのは前回、俺とともにドゥラルートの元へ行ったユニア。ユニアは俺の腰につけたサドルカの剣を見てそう言った。

「そりゃあ俺が持ってるわけだし……」

「あ、そういえば」

 俺とユニアの会話にニーナが何か思い出したように割って入った。

「こないだのマサキのまっくぼぼぼ……」

 ニーナが言い終わる前にユニアがニーナの口を押さえ込んだ。

「まっくぼ?」

 ニーナの言葉の意味を理解できなかった俺は未だわけのわからぬ単語を繰り返し唱えてみるが答えは出ない。

「いえ、なんでも無いです。それより『プライア』のことはどうしますか?『影の獣』の件が解決してからにしますか?」

 ユニアはニーナの口に手を押し当てたまま話題を変えた。

「それが一番理想ですけど……そう上手くいきますかね?」

 そう言うクランに俺は首を縦に振った。

「今回もだけど『影の獣』については何にもわかってないんだよね」

「なんなら発生原理もわかりませんし……」

 俺とクランが意見を交わしている間、ユニアはニーナの首を抱えて食堂から出て行った。

「それこそ、黒エルフの長に直接聞いてみたらどうです?仲悪くはないんじゃないんですか?」

「まぁそれもそうだけど」

 ドゥラルートとはあれ以降あっていない。彼が俺にどのような印象を持っているかは未だにわからない。

「友好的にお話ししてくれれいいけどな……」

 そんな話をしているとユニアから解放されたと思われるニーナが食堂へ戻ってきた。

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