第6章 2「THE・標的」
「で?具体的にはどこを侵略するおつもりですか魔王様」
「えーっと、侵略ってのはちょっと違う気が……」
クランが一人俺のニックネーム審議をしている中、ユニアと俺で話を進めていたことを根に持ち現在ひねくれモードである。
「侵略ってよりかはルナラナのときみたいにとりあえずこの国を攻めてこないようにだけすれば良いと思うんだけど……」
「まぁでも、攻めるなら近場がいいですよね、ルナラナは結構距離ありましたし」
ユニアの提案に俺はこくこくと首を縦に降る。以前、ルナラナに単独潜入したときは『炎』の神剣を使ったがために強体剤の効果時間が切れたところで気を失ってしまった。
あぁならないためにも今回は単独で行かず、強体剤も使わない。をモットーにしたい。
「だったら確か『プライア』ですかね?一番近場って」
クランは会話のベクトルをユニアに向けるとユニアは本棚から何か取り出した。
「そうですね」
自室なのに本棚の本には未だ手をつけていなかった。こちらの世界に来てから色々ありすぎて暇していないのだ。
「そこまでは大体どれくらい?」
「そうですね……」
ユニアが考え込むとクランが口を開いた。
「そんなのは私たちが考えるよりあの……なんだっけ、えーっと……」
「ニーナ?」
「そう!ニーナ。彼女に聞く方が確実なんじゃないですか?」
それもそうだと、ユニアも俺も揃って納得する。
「じゃあ早速ニーナさんの所へ」
そう言うユニアの腕を俺はガッシリ掴んだ。
「え⁉︎あの、マサキ様……その」
ユニアは何やら上擦った声を上げている。
クランは見てられないと言わんばかりに掌で目の周りを覆っている。
何かまずいことでもしたっけ?
ようやくユニアを引き止めるために掴んだ腕が誤解を招いたことに気がついた。
「あ、あ!ご、ご、ごめん!わざとじゃないんだけど……」
ガシッと掴んだ腕から手を離し、両手を上げて降伏の意を示す。
「はい!わ、わかってますとも!大丈夫ですよ!私は大丈夫いつも通りです!」
そんな俺とユニアを見てクランはため息を吐いた。
「そ、そんなことよりニーナに連絡するなら」
そう言ってユニアに渡したマメ二号を指差した。
「それ何回かタップ……表面を叩いてみて」
言われるがままユニアは時計の表面をタップするとそこには半透明なホログラムが映し出された。
「え?何これ凄すぎませんか?」
唖然としながら目の前に起こる科学を見つめるクラン。
そのまま数秒待ったところでニーナの顔が映し出された。
「何か用ですか?マサキ」
「し、喋った……」
バタンという音はきっとクランが倒れた音だろう。




