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第5章 53「俺の体力パーセント」

 ユウラがなぜエレクスタルに行ったのか尋ねてもハンヌは何も知らないようだった。

 そのまま会話は終了した。

「じゃあ、俺は戻るね。さっきはありがとう」

「いえ、あれくらいのこと構いませんよ。マサキはバカですからね、また何かあれば私が原稿くらいは書いてあげますけど?」

 そう言ってからかうように笑ってきた。

「じゃあ次からは頼むよ。俺はそういうの苦手だからさ……」

 そういえば学校でも国語の成績が低かったんだっけ……この世界に来てから勉学など関係ないと思っていたけど……どこに行っても勉強しとくにこしたことはないんだな……

 一人で前世界での悔いを思い出しているとニーナは思い出したかのように何か取り出した。

「マサキ、これあげますよ」

 そう言って渡されたのは黒い腕時計、ただ時針どころか分針も秒針もなく真っ黒だ。

「これは?」

 そう聞くとニーナは少し考えてから言った。

「まぁマメ二号……ですかね」

 つまりこれは『マサキのメカ二号』というわけだ。

 ニーナは俺の左手がないことに気がつき、腕時計を右手に装着してくれた。

「確か、マサキの神剣って体力を消費して炎を出すんですよね?」

「まぁね」

 するとニーナは腕時計のパネルに一度触れるとそこには『78』と表示されていた。

「これは?」

「バリバリ元気なマサキを『100』とした時の現在の残り体力量です」

 つまり俺は今22%ほどの体力を消費しているということか。

「これは便利だね」

 これを使えば戦いでの炎の配分も楽に行うことが出来る。全力で炎を放出して倒れることもなくなるってことか……

「そうだと思いましたよ。あと、こんな機能もあるんですよ」

 そう言ってまたペタペタとパネルに触れると次はホログラムが出現し、現在の俺とニーナが映し出された。

「これは?」

「先程ハンヌと行った遠隔通信ですよ」

 なるほど、これでニーナから情報がどこでも受け取れるようになったと。

「これもすごくいいね」

「ですよね」

 でも、これらには一つ大きな問題がある。

「ねぇニーナ」

「なんです?」

 ニーナはホログラムを消して俺から離れた。

「これってさ、腕時計ってことは手につけるじゃん?」

「はい、そうですね」

 現在はニーナに装着してもらったため腕時計は右手についている。

「あ……」

 そこでニーナも気がついたようだ。空っぽの左袖に目がいっている。

「俺じゃ使えなさそう……」

「そうですね」

 ニーナも納得して俺から腕時計を取り外すと、一瞬何か悩んだから表情を明るくした。

「じゃあこれ、ユニアにあげときますね」

「なんで⁉︎」

 俺のツッコミなど聞かずニーナは当たり前のように続けた。

「だってユニアはマサキのことを心配そうに見ていますからね」

 そう言われては、もう何も言えない。

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