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第5章 51「敵国の味方」

「やぁどうも国民の諸君、私はルナラナ一の美少女発明家ニーナというモノです」

 ニーナはいつも話すような口調で話し始めた。

「なんで金髪野郎がここに居やがる!」

 そんな声にみんな、そうだそうだと、声を上げている。

 そういえばニーナが来てすぐにブレイブが来るって言われて対策だなんだでニーナのことを説明し忘れたんだっけ……

「まぁ私の件に関してはそこのマサキを尋問するなりなんなり勝手にしてください」

 また煽ることを言うニーナに内心ヒヤヒヤしながら見守る。

「で、本題です。マサキたちに家の修理費や、自身の医療費を払えと。そう言ってるんですか?」

「その通りだ!わかってんなら払え‼︎」

 四方八方から聞こえる怒りの声にニーナはいつもと変わらぬ調子で言った。

「皆さんの言い分はわかりますよ?そりゃ困りますよね、わけのわからない殲滅部隊に攻め込まれて、家がなくなって、怪我して、大変ですよね〜」

 マズイ、この感じはマズイ……ニーナの言い方は完全に煽りだ。

 このままでは本当に暴動とか起きかねない。

 現に怒りの声はヒートアップしているように感じる。

「でもマサキはだからダンジョンボックスを作れって言ったんですよね?」

 え?

 それは俺も言われてから思い出した。そういえば確かにそんかことも言った。

「作れば怪我はしませんでしたよね?」

 群衆の怒りのボルテージが下がっているのを感じる。

「皆さんは魔王(マサキ)のために何か行動を起こしましたか?ただ安全地帯で非常食を貪りながらゆっくり昼寝でもしてたんじゃないんですか?」

 気づけば群衆はシンと静まり返っている。

「皆さんがそんな生活してる間、魔王は戦ってたんですよ?今皆さんが五体満足でいられるのはどう考えても魔王のお陰です」

 するとニーナは後ろに下がった俺の右腕を掴むと前に引っ張った。

「魔王は自身の右手も友人も失ったんです。被害が出たのはわかります。でも、自分たちだけが被害者だなんて考えないでください。自分たちが生きているっていう事実の裏には誰かの頑張りがあることをしっかりと理解してください」

 そこでニーナはフゥっと息を吐いた。

「以上、まだ何かある人は挙手してください」

 そこで手を挙げるものは誰一人としていなかった。

「それでは解散してください」

 ニーナの一言で群衆たちはゾロゾロと帰っていった。

 最後の一人を見たところで急な疲れに襲われヘタっと地面に膝をつけた。

「ニーナさん凄いっすね⁉︎」

 興奮した飛鬼がニーナに寄ってかかる。

「いえいえ、そんなことないですよ」

 恥ずかしそうにそう言うニーナは俺の元へ近づき、耳元で囁いた。

「うちの国王も心配してました。あとで私の部屋に来てください」

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