第5章 49「お邪魔虫」
「おい、アレどうするよ?」
俺は共にマサキの部屋を覗いている二人に囁いた。
「さぁ……僕にはどうにも……」
力無い笑顔でミルドはそう言った。
もう一人はというと……
「あわわわわ……」
クランは両手で顔を覆いながらも指と指の間からしっかりと部屋を覗いていた。
部屋の中ではマサキとユニアが抱き合っている。
「まぁ、ちょっと間を空けるか」
邪魔するのも悪いし、覗いていたことがバレたくなかったのでそう言って立ち上がると後ろから声がした。
「三人で何してるんです?」
振り返るとそこにいたのは作業着姿の金髪の少女、ニーナがいた。
「い、いや、何と言うか……」
俺が部屋の中の状態を誤魔化そうとしていると
「き、き、きんぱつ」
クランはミルドみたいに青い顔をしてひっくり返った。
「「あ!」」
そこで俺とミルドがシンクロして声をあげた。
クランがもたれかかったのは少しだけ開けていたマサキの部屋のドアだった。
クランがもたれかかるとキュイイという音ともにドアが開かれた。
俺たちを視認したマサキとユニアは急いで距離をとった。
誰に言われるでもなく、俺とミルド、ニーナの三人は正座をしてマサキ達の前に座った。
「すまん。覗く気なんてなかったんだ……」
「大丈夫ですって飛鬼さん。怒ってませんから」
先陣切って土下座をしながら謝るとマサキはそれほど怒っていなかった。
「で、クランはなんで気を失ってるんです?」
マサキは自分のベッドに寝かせたクランを見てそう言った。
「なんか私のこと見たら驚いて倒れちゃった」
「何それ全然わかんない」
この国の人々は基本的に黒髪が多い、居ても茶髪とかその程度。そのため確かに金髪というのは珍しいが別に見慣れていないわけじゃない。
俺の目の前にいるユニアはこの辺では結構な有名人だし、時々捕まった敵国の兵士なども見かける。
「そいえば俺に何か用ですか?」
そうだ。本題を忘れていた。
「城の前に大変な数の人達がいてさ……」
俺が部屋の窓を指差すとマサキはダッシュで窓を見た。
「マジか……」
俺が先ほど見たときにはどう見ても憤った人々が大勢城の前にいた。
「何これ?」
「今回の戦いで被害を受けた人達でしょうね」
ユニアはマサキの質問に対してそう説明した。
「でも、こんなんどうしたらいいってのさ」
「とりあえず、まぁ説得するなりなんなりするしかないですね」
「誰が?」
マサキがそう言うと全員黙ってマサキに視線を送った。
「俺ですかー」
肩を落としながらマサキは視線の対象から自分がそれを行うのだと気がついたようだ。
「まぁがんばれって、これも魔王の仕事だぜ?」
俺は気休め程度に言葉をかけた。




