第5章 47「出来る限り残酷に」
「嫌だぁ!まだ……まだ死にたくない!ッガハ!」
一人……
「うわぁ‼︎ッアガ!」
また一人……
「やめろ……近寄んじゃねぇ!ッグア!」
また一人……
これは……夢?だろうか、人がたくさん死んでいる。
全員が特徴として金髪である……敵国?となるとエレクスタルと戦ってるわけか、でも俺たちが相手にしていたのは『勇者』だったはずなのに……やはり夢なのだろうか?
「来ないで……来ないでくれ‼︎ッガア!」
悲痛の叫びを上げながら逃げ惑う男を後ろから斬り裂いた。
「国の誇りに掛けてここで殺す!うおおおお‼︎」
『獣であるオレ』に向かって銃を向ける男を真正面から斬り裂いた。
「嫌だ……俺には家族がいるんだ!頼む……殺さな……」
命乞いをする男の首を斬り落とした。
周りを見渡すと屍の山が出来上がっていた。
そして、彼は最後に残っていた。
身体は言うことを聞かないが、まるで俺の意思を尊重するかのようにその時だけは身体が自由になった。
丸メガネをつけた白衣の男、彼には随分と弄ばれたな……
俺も彼で遊ぼう。
『まずは左足』
「ぐぅあああ!」
あぁ、痛いんだろうな……苦しいんだろうな……
『次に右足』
「あああああ‼︎」
上半身を動かして俺から逃れようと必死にもがいている。
無駄なのに……
『次は右手』
「ぎゃあああ‼︎」
するとまだ左手を動かして逃げようとしている。
『次は左手』
「うああああ!」
そこでとうとう逃げる気力をなくしたのか彼は死を求め始めた。
「嫌だ!やめてくれ!もう殺してくれ‼︎」
殺してくれ……か、胸が痛むような気がしたが、きっと気のせいだ。
『最後に心臓を潰す』
俺が彼の胸に足を乗せると彼は急に謝り始めた。
「悪かったから!悪く言ってすみませんでした!だから!殺してくれ!」
そんなこと言ってももう遅いのに……
ゆっくり……ゆっくりと足を沈める。
バキバキと肋骨が折れる音が聞こえる。
「やだ、やだやだやだ!嘘だろ!やめてくれ!うああぁぁぁ……っがふ……うぁぁ‼︎」
そして一気に心臓を潰した。
苦しんでくれたかな……『死』の苦しみをわかってくれたかな……
まぁ、もうどうでもいいんだけどね……
俺に残るモノは今や『意思』だけだ。
身体の主導権はまたも何かに持っていかれた。
ユニア達は無事なのかな……
すると物陰から音がした。それを聞いたオレはそちらを振り向く。
そこにいたのは見間違えることはない。ユニアだ。
『なんで出てきたの?』
オレは足に力を入れた。
『ダメだ。ユニアは殺さない。殺したくない』
地面を蹴ってオレは加速した。




