第5章 41「二度目の登場?」
「なんか……少なくなってきましたね」
隣で戦うミッダにそう問いかける。
「そうだな、そろそろ底ついたんじゃねぇか?」
確かにもう結構戦い始めてから時間が経った。でも、少し様子が違う気がする。
「ミッダさん……あいつら撤収してません?」
「お?本当だ」
狂戦士たちは俺たちに背を向けて来た方向に戻っていた。
「どうします?」
「とりあえず追うか」
そう言ったミッダは一度深く息を吸い、戦場に響き渡る大声を出した。
「おい!てめぇら!今相手にしてるの片付けたら撤収だ‼︎」
ミッダの指示に周りから
「うおおおぉ‼︎」
と、勢いのいい返事が帰ってきた。
そして手近にいた兵士を呼び止めると
「すまんが飛鬼を読んできてくれ」
と、指示を出した。
「さぁミルド、俺たちは残業だ!」
「はい!」
目の前にいる狂戦士を殺しきったところで飛鬼が合流した。
「一体どうしたんです?」
未だに状況を知らぬ飛鬼は肩で息をしている。きっとここまで走ったのだろう。
「敵どもが撤退し始めた」
「なるほど、マサキは呼ばないんすか?」
そう言うとミッダは一度考えてから口を開いた。
「あいつは今……」
「マサキなら……もう本拠地近くにいるんじゃないかな」
「「え?」」
二人はさっき走って行ったマサキに遭わなかったらしい。
「マサキ起きたのか?」
「うん」
飛鬼の質問に僕はアッサリした答えを返した。
「まぁいい何はともあれ行くぞ!」
周りにはもうすっかり狂戦士がいなくなっている。
ミッダ、飛鬼とともに敵の本拠地を目指してダッシュする。
その間も狂戦士に遭遇することはなく、すぐに軍艦が見えた。
軍艦の前ではなんの騒ぎか狂戦士が飛んだり、跳ねたりしている。
大量の狂戦士に囲まれながらそこでは一人……いや、一頭という数え方の方が正しいだろうか?
『獣』のようなのが、戦っている。それもどこか見覚えのある『獣』が……
最初にその正体に気づき、言葉にしたのはミッダだった。
「あれは……マサキか?」
既視感の正体は過去に現れた『影の獣』に容姿が似ているということだった。
状況が把握できず、三人揃って唖然としてしまう。
「みなさーん!」
上空から聞こえた声に反応して上を向くと竜に跨る金髪の少女、ユニアがそこにいた。
「マサキ様が……」
「やっぱり、ありゃあマサキなのか……」
深刻そうなユニアの表情からあの『獣』がマサキであることを確信する。
「でも……どうして?前は黒エルフにやられたけど……」
そう聞くとユニアの表情は一層深刻さを増した。
「マサキ様は……自分で心臓に剣を刺したんです」
飛鬼や僕だけでなく、ミッダまでも驚愕した。




