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第5章 23「秘密な秘密」

 意識が朦朧とする。

 立ち上がる気力も残されていない。

 力無く飛鬼の背に乗っている。

「マーサちゃん」

 バシッと俺の背中を叩きながら後ろから誰かが走ってきた。

「おつかれテニー」

 首を横に捻ってだらしない格好でテニーに話しかける。

「また無理したの?」

「『また』って俺そこまで無理して生きてきてないよ」

 今までできる範囲で色々してきただけで無理をしているという自覚はあまりない。

「してるよ。いっぱいしてる。だから私も心配してる」

「はは、そっか……ありがとね」

 優しく微笑んでそう言ってくれるテニーという存在がとても嬉しい。

 自分を心配してくれる人間がいることがこれだけありがたいことなのだと、この世界で気づかされた。

「本当に死なないでね……お願いだから」

 最後に念を押すようにそう言うとテニーは走ってどこかへ行ってしまった。

「お前なんでそんなモテんだよ」

 今まで俺とテニーの会話を黙って聞いていた飛鬼が急に口を開いた。

「別にモテてるとかそんなんじゃありませんよ」

 そういうと飛鬼は大きくため息を吐いた。

「乙女心がわかってないねー」

「飛鬼さんに乙女のどこらへんがわかってるっていうんですか?」

 そういうと飛鬼は確かにと笑った。

「まぁでもお前はユニアのことが好きなんだろ?」

「え、えっとまぁ……」

 そういえば飛鬼にはユニアと俺が庭園で一緒にいたところを見られたんだった。

「安心しろ。誰にも言ってねえよ」

「別にそんな心配は……」

「お前そういうの苦手そうだもんな」

「うぅ……」

 ぐうの音も出ない。

 女の子とお付き合いをするなんて初めてのことだ。苦手というか経験不足というか。

「で?ユニアとはどこまで言ったんだ?」

「どこまでって?」

「言わないとわからないか?」

 そこまで言われて自分の顔の温度が急上昇したのを感じる。

「な、別になんにもしてませんよ!」

「へえ、なんにもねー」

 顔を手で覆いたいが力が入らない。

「うっさいっすよ!そういう飛鬼さんは色恋沙汰はないんですか?」

 そう言うと飛鬼の声のトーンが変わった。

「あぁ、昔な一回だけあったよ」

 切なそうな、悲しそうな声でそう言う飛鬼に俺はこれ以上の詮索をやめた。

 それからは普通に話し続けいつの間にか城まで戻っていた。

 自室のベッドの上にゆっくりと降ろされた。

「んじゃ、ユニアにはお前が寝てること伝えとくから」

「さーせん」

 出て行く飛鬼を見送ると抑え込んでいた眠気にここぞとばかりに襲われ、段々と意識を保てなくなり眠ってしまった。

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