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第1章 16「新・右足」

 植物として蘇った右足は肌色で言われなければ気づかないと思われるほど自然だった。

 もう二試合目まで十五分を切っている。

「ユニアどうしよ!」

「ど、どうしたんですか⁉︎」

「靴とか…」

「あぁそんなことですか」

 ユニアは医務室から出て行き片方の靴と靴下を持って来てくれた。

「これを」

「あ、ありがとう」

 なんだろう靴の不安がなくなったのにまだ別のところに不安要素があるような…

 念のため、そう念のためだ…

「ユニアこの靴どうしたの?」

「え?さっきマサキ様が履いていたやつですよ?」

 やっぱりか…

 ユニアはたまに目が笑っていないときはあった。そのときが今までは唯一怖い部分だったのだが、これはなんというかシンプルに怖い。

 きっと彼女は今まで切れた足などをいくつも見て来たのだろう。

 だから平気な顔して血塗れた足から靴などを脱がして来たのだ。

「どうしました?」

「いや、なんでも」

 気付くと試合開始まで五分を切っている。

「やっべ!早く行かないと!」

 首飾りが着いていることを確認し試合会場まで走って向かう。

「あと二試合がんばって下さい‼︎」

 ユニアは安心させるような笑顔で送り出してくれた。

 試合会場に着くと対戦相手は普通の剣士だった。

 銀に煌めく鎧を身に纏い、同じように銀の剣を背中に着けている。左手には銀の盾も持っている。

 全身銀色だ。

「おやおや魔王様、逃げたのかと思いましたよ。足も無くなっていたようなのでね」

 基本的に試合前は人を煽ることから始めるという決まりでもあるのだろうか?

 俺は仮にも魔王なのだからもう少し言葉遣いってやつがあるんじゃないか?

 そんなことを考えていたがさっきのように大口叩いてからボコボコにされるのも嫌だったので何も言わず、代わりに溜息を吐いた。

 審判が試合開始の合図をした。

 それと同時に剣を出して柄の部分を掴む。先ほどの試合で足を切られたショックからあまり蹴りで攻撃する気がしない。

 なので違う攻撃方法を考えておいた。

 全身鎧なら恐らく死なないだろう。

 そう考えているうちにも相手は盾を前に出し突っ込んで来る。

 まぁ試しにやってよう。

 剣を炎の力で持ち上げ、自分の体より後ろの方に置いた。

 剣の側面を加速させるイメージを作る。

 相手が剣の間合いに入った瞬間、そのイメージを剣は行動に移した。

 銀色の剣士は剣の側面で殴打され壁に向かって飛んで行った。

 剣士は壁にぶつかるとズルズルと倒れた。

 近づいてみると気を失っていた。

 どうやら死んではいなさそうだ。

 そう思うと安心した。

「勝者マサキ‼︎」

 審判のそのコールで会場が沸き立ち、歓声を背にまた部屋へ戻った。

 部屋に戻るとユニアが待っていた。

「マサキ様お疲れ様です。足の具合はどうでしたか?」

 ユニアは不安そうに言った。

「まぁいつも通りだよ」

「なら良かったです」

 その後、三日目の三試合目も無事に勝つことができた。

 残り予選は一日とうとうゴールが見えてきたような気がする。

 魔王として認められるためこの闘技会では絶対に勝たないといけない。

 そう覚悟を新たにした。

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