第5章 5「勇気 勇敢の意」
ハンヌやユウラを見送ったあとユニア、ニーナと城への帰路に着いた。
「ユニア……」
「な、なんです?」
朝の告白のこともあってか挙動不審に見える。
「実はさ……」
何と説明するか少し悩んだが、ユニアはきっと『ブレイブ』という存在は知っているのだろう。
「ブレイブっていうのが一週間後に来るみたいなんだ……」
そのことを聞いてユニアの顔から血の気がなくなった。
「え、ブレイブって……」
目を見開き、信じられない……いや信じたくないと言った表情をしている。
「ユニア、とりあえずブレイブについて知ってることを教えてくれない?」
出来るだけ優しい口調で聞くとユニアはコクコクと頷いた。
「ブレイブは魔王専門の殲滅部隊のことで戦法は主に肉弾戦、剣は使っても銃だ何だは使いません。あくまで自己の力で戦う集団です」
肉弾戦?なら脳筋マッチョだらけなのだろうか?
「待って肉弾戦ってことはこの間みたいに『黒塗り』?とかそういうのはいないの?」
黒塗りのロボット、過去ルナラナに襲撃された時のラスボス。
AIがために最後は熱によってショートさせて破壊した高性能ロボット。
「その可能性は……」
「その可能性はないですよ」
ユニアの話にニーナが割って入ってきた。
「何故?」
「だって『黒塗り』なんかより『ブレイブ』の方が強いんですもん」
あの黒塗りロボットより強い肉弾戦集団なのか?
「それって人間なの?」
俺の疑問にニーナは少し悩んでから口を開いた。
「人間って言うのは語弊がありますね、あれはどう見ても、どう考えても人間とはかけ離れています。言うなら……」
「言うなら肉人形ってとこですかね」
今度はニーナにユニアが割って入ってきた。
肉人形?
「つまり人間だけど人間じゃないんです」
「はぁ……」
話に頭がついていけない。
人間だけど人間じゃない?
「部隊って言うのは名ばかりなんです」
今度はニーナが説明を開始した。
「あんなの部隊でもなんでも無い。非人道的な科学……いえ科学というのはなんか嫌ですね、ただの狂戦士ってとこです」
「非人道……狂戦士……」
何かとんでもないものを思わせる単語が次々と並べられ一刻も早く対抗策を考えなければ。
「とりあえず、早くなんとかしないとだね」
そう話、俺たちは城への足を急いだ。
ブレイブ……か。
前世界の意味で『勇気』だったか?
ハンヌは勇者はいつでも魔王の首を狙っていると言っていた。
まさかな……
この世界には科学という武器がある。科学の力で誰でも勇者になれる時代だ。
身体能力だけの軍団が勇者なわけ……ないよな?




