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第5章 4「これは信頼それは一体?」

「『ブレイブ』って……」

 いきなり言われた存じない名前に少しだけ困惑する。

「『ブレイブ』は殲滅部隊だよ。魔王専門のな、要は勇者集団だ。人間離れした身体能力を持つ兵士どものことだ」

 魔王専門って……

「でも、今まで魔王は負けてないんですよね?なら大丈夫じゃ……」

 俺の軽い考えにハンヌは呆れたように息を吐く。

「君が今までの魔王と同等かそれ以上の力を持っているなら可能かもしれん……が、我々もバカじゃない。成長している。一筋縄で行くと思うな」

 我々という言葉からハンヌはある程度ブレイブという存在をわかっているのだろう。

 が、それを俺たちに話さないのは『信頼』が足りていないから……か。

「じゃあなんでニーナをこの国に置いていくんですか?」

 ニーナはルナラナ随一の発明家だとか言っていた。そんな貴重な人材をこの国に放置して大丈夫なものなのだろうか?

 今から起こるのは最早戦争なわけだし。

「言ったろ、今あいつを連れ帰っても仕事は手につかんし、もしかしたら今後一切使うこともないお主の装備などを作るかも知らんからな」

 今後一切使うことないって……そりゃ俺が死ぬってことですか?

 疑問を飲み込み、ハンヌの情報提供に感謝する。

「とりあえずご厚意感謝しますハンヌさん。できる限りのことはしてみます」

「そうか……力になれなくてすまないな」

「いえ、十分ですよ」

 そうだ。この情報は俺たちにとってとてつもない意味を持つ。

 もしかしたら俺たちはそのブレイブとか言う連中に不意打ちを叩き込まれていたかもしれないのだから。

「さ、そろそろ時間ですね。行きましょうか」

「お、そうだな」

 そう言って重い腰を持ち上げ立ち上がり、俺たちはルナラナの軍艦が停泊している港へ向かった。

 そこには既にユニアとロウネ、ユウラがいた。

「あ、マサキさん」

 そう言ってユウラは俺に近寄ってきた。ロウネもその後ろをついてくる。

「短い間でしたがお世話になりました」

「うん。俺も楽しかったよ、また遊びに来てね。あと兄弟と仲良くね」

「はい!」

 勢いのいいユウラの返事の後、あまり関わりを持ったことのないロウネも口を開いた。

「あ、ありがとうございましたマサキさん。貴方のおかげでこの国のイメージも随分と変わりました」

「そっか、そりゃ何よりだよ」

 基本悪いイメージだらけのこの国の印象が良くなったというのなら大歓迎だ。

「さ、もう行くぞ」

 ハンヌがそう言うと二人は

「「はい!」」

 と返事をして軍艦に乗って自国に帰っていった。

 小さくなって見えなくなるまで二人はこちらに手を振り続けていた。

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