第4章 45「魔法は使えますか?」
「はぁはぁ」
全力で城から港まで走るとそこには陸に乗り上げた巨大な船があった。
「あ、あれは?」
付近には軍の兵士が武器も構えずその船の甲板を見上げている。
「あ、ユニアさんお疲れ様です」
「あれは?」
私が指差す船を見て兵士も首を傾けた。
「わかりませんけど魔王様があちらに」
「えぇ!」
なぜマサキがあんなところに?
得体の知れない船に飛び込むなんてこと……
マサキならやりかねない。
「マサキ様!」
甲板に向かって叫ぶと上からヒョコッと顔を出してきた。
「おぉユニア!」
顔を出したのは紛れもなく魔王マサキだった。無事であることに胸を撫で下ろした。
一度顔を引っ込めてからマサキは甲板から飛び降りた。
剣を装備せずに飛び出したら怪我をすると思いマサキを見上げるが、とてもゆったりとした速度でマサキは着地した。
「えぇ?」
何今の?魔法?
でもマサキには魔法の源である魔力は存在しない。
では今のは?
「おっすユニア」
朝ケンカ別れしたマサキはまるで気にしてないかのように振舞ってきた。
「どうも」
先ほどのケンカを思い出すとつい素っ気ない態度になってしまう。私の言葉にマサキは少しだけ表情を暗くした。
「あれ?その足につけてるのはなんです?」
マサキの足には今日の朝……いや、今まで一度も見たことのない金属の箱?みたいなものがついている。
「あぁ、これはマメ一号だよ」
「マメ……一号?」
由来はマサキのメカ一号の略称らしいと教えてもらった。
「でも、そんなの誰から?」
マメ一号と言われているそれを見るにこの国の人間が作ったようには見えない。
マサキがマメ一号の開発者を言う前に船の甲板から梯子が降りてきた。
それを下るのはルナラナの国王ハンヌと灰色の作業着姿の金髪の女性。
「おぉ!彼女がユニアですか?マサキ!」
マサキと、我が国の魔王を呼び捨てにする作業着姿の女性はマサキに私のことを伺っているようだ。
「あぁうん。そう」
すると作業着姿の女性は私の両手をギュッと握りしめて言った。
「あなたがユニアですか!あなたのことも国王から聞いています!魔法が使えるそうで」
ハンヌとはマサキがユウラとどこかへ行ってる間少し話した。
私が魔法を使えると言うとハンヌは信じられないと言わんばかりの表情で私のことを見ていた。少し疑問を覚えたがその時の私はマサキのことが心配だったためそんなことどうでもよかった。
「金髪といえど一応この国の人間ですしね。魔法使えます」
そう言うと作業着姿の女性はニヤっと笑って私にこう言った。
「いくら血が混じっているとしても純血でない限り魔法って使えないんですよ」




