第4章 44「計算ですよ計算」
「おぉ」
身体を宙に浮かせながら自由自在にスライド移動できることに不思議な感覚を覚えた。
今までは上への推進力に一本、移動に一本と二本の剣を使わなければ空中の移動はとても困難だった。
まぁ二本でも大雑把な動きしかできないのだが……
「すごいなマメ一号!」
俺がそう言うと下にいるニーナが満更でもないような顔をしている。
「いえいえそんな」
着地もゆったりとしていて、安全性にも長けている。
「そんなわけでこれからよろしくお願いします!」
これからよろしく?
普通に言ったニーナだが所々気になる点が……
「これからよろしくとは?」
すると先程まで一言も発さずに俺たちのやりとりを見ていたハンヌが口を開いた。
「あぁ……ニーナが是非君の元で働いてその未知なる剣を解明しながらアシストメカを作りたいと駄々を……じゃなくて豪語したものでな……」
駄々に負けたのかハンヌ・アルルーナ……
まぁでも思春期高校生日本男児に対し『アシストメカ』なんてワードを出されてしまっては俺に断る選択肢などない。
「わかりました。じゃあよろしくさせていただきます」
「わあ!やったー!」
子供のように無邪気に喜ぶニーナ。それにしても国一の発明家などこの国に置いていいのだろうか?
俺の疑問を察したようにハンヌが俺の疑問の回答を提示する。
「安心しろニーナはこうと決めたらそれ以外仕事にならないんだよ。今は君の元に置いておかないとそれ以外仕事にならないんだよ……」
困ったと言わんばかりにため息を吐いた。
「そいえば俺のこの剣のサイズはどこから?」
マメ一号にフィットしている黒の大剣改め、黒の双剣と呼ぶことにしよう。
俺はルナラナで使った覚えはあるが計った覚えはない。捕まった間に計るにも俺の意思なしでこの剣は出てこない。
「あぁそれならルナラナでその剣使いましたよね?」
「まぁ」
戦闘や移動の際に使ったことは覚えている。
「監視カメラに映像があったのでそこから割り出しました」
割り出したって……
俺にこのメカを作るために?
「いやぁ楽しみですよ!マメシリーズの開発に魔法の解析にやることはいっぱい!」
そこで不自然に言葉を区切ったニーナに少々の疑問を抱いた。
「そうだマサキ!聞きたいことがあります」
聞きたいこと?と、問う前にニーナはザ・近未来という感じのパネルを空間に生み出した。
「おぉ!」
そのパネルに映し出されたのは俺が無残に捕まる時の映像。
痛々しく負傷している自分を見ると鳥肌が立った。
「ここのこれです」
画面を拡大して俺に見せるニーナだが俺には倒れた俺を捕まえにかかる大人気ない方々しか見えない。
「ここの黒い靄みたいな」
その言葉に治りかかっていた鳥肌が帰ってきた。




