第4章 42「知人と他人」
高く空へ飛び上がると轟音の正体が見て見えた。
「船?」
軍艦などそういう類の大きさの船が陸に乗り上げている。
またどこかの国が攻めてきたのか?
真意を確かめるべく海へ急いだ。
「到、着っと」
着くとそこには軍の兵と思わしき人が杖や剣を構えている。
だが、船は動きを見せない。攻撃することも誰かが出てくることもない。
すると一人の兵士が俺に気づき近づいてきた。
「魔王様、お疲れ様です」
「状況は?」
兵士は首を振って自分もわからないとジェスチャーして見せた。
「そう」
ならばと思い、船の甲板に上がろうと剣を構えて加速する。
「ちょ!魔王様!」
隣にいた兵士は動揺して俺を掴もうとするが空振りに終わった。
「すぐに戻る」
甲板に上がると金髪の人々が俺に向かって銃を構えている。ドン!と着地したときには囲まれていた。
「オーッと……」
「武器を捨てろ!」
銃を持った兵士は勢いよくそう言った。
「待って待って待って」
「おい、何している」
それはついこないだ聞いた声だった。
「ハンヌさん?」
「おや?マサキ」
そこにいたのはルナラナの国王ハンヌ・アルルーナだった。
「武器を下ろせ」
ハンヌの一声で俺に銃を構えた兵士達は銃を下ろした。
「いやぁ、ヒヤヒヤしましたよ」
「すまんな何の連絡もなしに」
少し申し訳なさそうにそう言う姿は優しいおじいちゃんそのものだ。
「いえ、連絡手段なんてこの国にはほとんどありませんし」
「それもそうか」
と、俺とハンヌは笑った。
甲板から下にいる俺の国の兵士達にも杖や剣を下ろさせた。
そしてまたハンヌの元へ近寄り向き合った。
「お?隣にいる金髪の娘はどうした?」
金髪の娘?この国にいる金髪の人間などおよそ一人に絞られるだろう。
「あはは……実はケンカしちゃって……」
そう言うとハンヌは笑って
「若いなぁ」
と、言ってきた。
若さの問題ではないと思うのだが……
「で、ハンヌさんは今日何しに?」
まるで本題を忘れていたかのようにハンヌは話し始めた。
「君たちのところのユウラとロウネを連れ戻しに来たっていうのと、一泊していこうかと」
ユウラとロウネを連れ戻しに来るとはルナラナでも言っていたが、まさか一週間足らずで来るとは……
待て?一泊?
「泊まってくんですか?」
「あぁダメなら帰るが……」
「いえいえ大丈夫ですけど……多分」
歯切れの悪い言葉を残して周りを見渡す。そこにいるのは数十か数百の兵士。
この人たち全員止まるのかな?
城にそんな部屋あったっけか?
「心配するな止まるのは私と……」
ハンヌが途中まで話したところで後ろから接近してくる足音に気がつく。
サッと振り向くと目と鼻の先に女の人の顔があった。
「あなたがマサキですか⁉︎」
「誰?」




