第1章 13「闘技会の神剣使い」
闘技会は一日三試合を四日間繰り返し、五日目に決勝戦をするらしい。
一日目は剣士のあとの残り二人は魔法使いだった。
ユニア曰く闘技会は剣士を遠距離から倒すことのできる魔法使いの方が数が多いらしく、剣士は少数らしい。
しかしその魔法使いに対してはとても有利に闘うことができた。
理由は簡単で魔法使いが呪文の詠唱などをする前に一気に加速し間合いを詰め、剣士同様に壁に蹴りつけたからだ。
「マサキ様一日お疲れ様でした」
そういってユニアは笑いかけた。
「疲れるなんてそんな…」
今日の試合は全て開始から三十秒もせずに終わっていたため体力的な消耗はそんなに気にならなかった。
「飛鬼さんとかは?」
「彼もちゃんと勝ち上がってますよ」
その言葉を聞いてホッとした。一回戦後の飛鬼との会話で飛鬼は少し暗い顔をしているように思えたからだ。
「このまま勝ちあがれると良いけど…」
今日は自分の情報がそこまで行き届いていなかったため『剣で加速し思い切り蹴る』という雑な作戦が通用したが明日もそれが通用する保証はない。
「大丈夫ですよ。マサキ様は『神剣』使いには珍しく戦略の漏えいがないですから」
「そうだ。『神剣』ってなんなの?なんか飛鬼さんとかミッダさんも言ってたんだけど…」
今まで出てきたワードの中で一番気になっているのが『神剣』というワードだ。
恐らく黒い大剣のことを意味しているみたいだが…
「『神剣』ですか?『神剣』ていうのはマサキ様が使っている黒い大剣と同じ、四属性『風』『林』『火』『山』の上位属性の『嵐』『樹』『炎』『地』の武器のことです。形に剣が多いことから『神剣』と呼ばれています。マサキ様の他の使用者でいうと飛鬼さんとかですかね」
おぉなんだか重要単語のオンパレードだ。
つまり俺の使っている黒い大剣はやはり『神剣』という部類の剣らしい。飛鬼も同じレベルの剣を使っているみたいだ。
「じゃあ他の参加者にも『神剣』使ってる人がいるわけか?」
「そうなりますね…まぁ『地』の剣は行方不明なんで実際は『嵐』と『樹』を倒さないといけないわけなんですが、その二属性は二人が勝ってくれれば3日目に当たるはずなので実質一人倒せばいいことになりますね」
「なるほどそうか…ちょっと待て『地』の剣、行方不明って言わなかった?」
闘技会の話に流されそうになったがそんな大切な剣がなくなってるとなれば一大事だ。
「捜索中なんですが未だ見つからなくて…まぁ適正者がいなかったので使い物にならなかったのですがね」
「なるほどね、まぁでも早く見つかるといいけど…」
話していると言葉がグゥーという音に遮られた。
ユニアの方を見るとお腹を抑えている。
「お腹空いたんだね」
「…はい」
ユニアと共に城に戻り、夕飯を済ました。
今日からは闘技会が始まったためミッダとの特訓はない。
明日の不安を抱きながらも知らず知らずに溜まっていた疲労からすんなりと眠りの中に落ちていった。




