第4章 31「友達の実家」
屋上で待たせてしまっていたユニアたちの元まで俺は階段を駆け上がった。
到着するとユニアと飛鬼はドラゴンに餌をやっている。
俺がいるのに気がついたテニーはこちらに走り寄ってきた。
「マサちゃんこれ飲んで」
と、言われて渡されたのは既視感のある瓶だった。
「もしかして……」
するとテニーは一度ニコッと笑った。
「そ、強体剤」
なぜまたこれを飲まないといけないのか?みんなは俺を迎えにきたわけで帰りはきっとドラゴンの背中でゆっくりと帰れると思っていた。
そこで今いる人数とドラゴンの数を考えた。
俺はいつもユニアの後ろに乗ってて……
まさか……
「テニー」
「はい?」
「ドラゴンってさ……」
俺の質問を待たずしてテニーは瞬時に答えた。
「二人乗り」
肩をガックリ落とし、また神様にお世話になりそうだとしみじみ思った。
「まぁいいや、とりあえず出よっか」
そう言って栄養ドリンクみたいな味の強体剤を飲み干した。
「すみません。またすぐに」
と、自国の王に別れのあいさつをしているユウラを見て一つ思い出した。
「そうだ。ユウラちょっとだけ出かけよ」
そう言って俺はユウラの手を引き、屋上の端まで歩いた。
「出かけるってもどこへ?」
「ジヨのとこ」
愕然とした表情をしてから再び口を開いた。
「なぜ、マサキさんがジヨのことを?」
「いいから、掴まって!」
勢いよく飛び出し、ユウラは俺の肩にがっしりと掴んだ。
俺は炎の神剣に乗っかり、ユウラをおぶる。
「ユウラ、実家は?」
「あっちです」
と、ユウラの指差す方向へ剣の方向を転換させ加速させる。
「ホントにこの剣ってば便利っすね」
初の二人乗りで気づいたことは剣の安定感は変わらない。辛いのは基本俺一人、ユウラの体重を抱えながら乗る感じだ。
今まで断固として一人だったが、二人くらいなら乗せられそうだ。
本当は大剣に乗ってもらいたいのだが、それでもし火傷されたりしたら嫌だし、まず大剣が熱いのかどうかすら未だにわからない。
「まぁ便利だよ。空飛べるし、なんか二本になるし」
そう自分で言うと本当に不思議な剣だ。
そいえばサドルカが本当の使い方を知らないとかなんとか……
この剣は……ホノマルは一体どういった存在だったのだろう?
先代の魔王たちがどのように使っていたかとか聞ければ一番なのだが……
「ここです!」
物思いに耽っていた俺にいきなりユウラの声が響いた。
剣の進行方向と逆の方向に炎を噴射し、速度を落とす。
ゆっくりと高度を下げて地に剣をつける。
「オッケー」
地面に着いたことを告げるとユウラはゆっくり、ゆっくりと自分の家の前のドアへと歩いた。
コンクリートのような素材に見える直方体の建物のドアは自動で左右に分かれ、開かれた。




