第4章 29「王と兵士」
マサキが叩き起こされる三十分前
「ここがルナラナ」
初めて見る人工の光。火でもなくまるで魔法のような科学の光。
「さっさとマサちゃん捕まえてトンズラするわよ」
私の背中をバシバシ叩きながら後ろからそう言い聞かせてくるテニー。
「了解」
テニーに合意し手綱を握りしめてホプスに加速の合図を送る。
「あ、ちょっと!」
後ろからユウラの声がする。
そいえば先程からユウラ、飛鬼はあまり動いていない。
嵐雲と喧嘩したのだと思い、
「先に行ってます!」
そう返事をした。
だが、私の予想とは裏腹にユウラが声を荒だてた。
「そこら辺からセンサーが!」
「へ?」
と、私。
「え?」
と、背後のテニー。
急いでホプスを止めにかかる。
「ホプス!止まってホプス‼︎」
すぐに応じた忠実なドラゴンだが、時すでに遅し。ウーウーウーという警報とともに赤い光がクルクル光る。
背後をゆっくり振り返るとユウラが額に手を当てている。
「仕方ありませんね」
飛鬼に何か伝え、それに応じた飛鬼は猛スピードでルナラナの海へ突き進んで行く。
ユウラと飛鬼は両手を挙げ抵抗しないことを表明した。そして私たちもこっちに来いと目で訴えかけてくる。
生唾を飲み込み、ゆっくりとした速度で飛鬼たちの隣に並び両手を挙げた。
現在
「見っけたー‼︎」
一直線に目指した水平線の先にいたユニアたちを見て少しの安堵と不安が込み上げてきた。
「マサキ様!」
俺に気がついたユニアがこちらを見つめている。
「よくぞご無事で」
「心配したんだからー」
「生きてて何よりだ」
「いやぁ本当に良かったっす」
口々にそう言う四人だが、みんな同時に言うから半分くらい理解できていない。
「まぁとりあえず、このまま向かおう」
俺の言葉に三人は唖然とするが一人だけ理解した男がいた。
「会えたんすね」
「まぁね」
俺は二頭のドラゴンを先導してハンヌのいる巨大ビルに向かった。
そこの屋上と思われる場所にホプスと嵐雲というらしい黒い鱗のドラゴンを待機させる。
嵐雲については後でみっちりコミュニケーションを図ることにしよう。
「ここだよ」
先程ハンヌがいた部屋のドアを開け、中に入る。
「国王様!今帰還しました」
ハンヌの前になった瞬間片膝をつき、右手を胸に当てて、頭を下げるユウラ。
そいえばユウラはルナラナの兵士だもんな。王に対する忠誠とか色々あるのだろう。
「よく帰ってきたなユウラ」
これは意外であった。
勝手な想像だがハンヌが一兵士であるユウラを認識していたことだ。
ユウラがそれほど手練れなのかハンヌが国民思いなのか。




