第4章 23「とてつもないほど心配です‼︎」
マサキがこの国から旅立って早二日、そろそろ強体剤の効果も切れるころだと思われる。
つまり遅くとも六時間後、日付が変わる前に戻って来なければ死またはどこかで力無く倒れている可能性が高いということだ。
「まーたこんな所に」
後ろから声をかけられ振り返るとそこにいたのはタンクトップに迷彩柄のズボンを履いたテニーがいた。
「マサちゃんがそんなに心配?」
「いえ!そういうわけでは」
「隠しきれてないわ」
そう言われ軽く頭をチョップされた。
「心配なのはわかるよ。だってもう二日経つんだもん。今日帰って来なかったら流石に心配よね」
「やっぱり私もついて行くべきだった」
結局、単独の突入の方がいいというユウラとマサキに押し負け私はこの国に置いてきぼりにされた。
「どうしようテニー……」
考えたくない。考えたくないが、最悪の結果が安易に想像できてしまう。
その結果が現実になるのが怖くて目から涙が溢れでてくる。
「大丈夫だよ」
私を安心させようと抱きしめ、声をかけてくれるテニー。
「なんでそんなこと言えるのさ……」
「マサちゃんはいくら死にそうになっても帰ってきたじゃない」
全くもって未知の相手だったシャグルーにも、次期魔王と謳われたミルドにも、黒エルフにも、攻め込んで来た黒塗りのロボットにも彼はいつも勝利して私の……私たちの元に戻って来てくれた。でも
「今回だけはわけが違うじゃない。全く無知の状態で侵入して……もし捕まってたら?もしもう殺されてたら?もし、もう私たちの元に帰って来なかったら?」
私のこぼした不安を聞くと一層強くテニーは私を抱きしめた。
「不安だよね。当たり前だよね。私たちはマサちゃんが行ってる国の地理も歴史も制度も法律も何も知らないんだもん。でもねユニア」
テニーは少しだけ私と距離をとり、顔を見合わせた。
「今ここで私たちが嘆いていたって仕方ないじゃない。私たちには何も出来ないよ」
「じゃあどうしろって言うの!この不安をどうしたらいいっての‼︎」
そう言ってからから後悔する。
そんなことテニーに言っても仕方ないじゃないか。悪いことをしてしまった。
私の後悔を知らないテニーはふふっと笑ってから口を開いた。
「行けばいいじゃない」
「??」
何を言っているのだろうかと一瞬考えた後、衝撃を受けた。
「な、何を!」
私の手を引き、部屋から飛び出すテニー。
「とりあえず、あと二人くらい欲しいわ」
城を上から下まで周ってユウラと飛鬼が捕まった。
「なんで俺が……」
「どこ行くんすか?」
不運にも巻き添えを食らった二人を連れて屋上のホプスの元に向かった。
「そいえばホプスは乗れて二人なんですけど?」
「あぁそれなら問題ないよ、ね?」
そう言ってテニーは飛鬼の方を見て言った。
「は?俺?」
「嵐雲いるでしょ?」
「あぁまぁ」
後頭部を掻きむしった後、飛鬼は指笛を吹いた。
勢いよく飛んできた飛竜は後ろ足で思い切り飛鬼を蹴り飛ばした。




