第4章 17「突撃‼︎神々の私生活」
「私たちってアルムスさん以外にも誰かいるんですか?」
そう言うと少女はふふっと笑ったから答えた。
「貴方の持つ剣は一振りでは無いでしょう?」
俺の持つ剣、アルムスに…サドルカと炎の神剣?かな。
「俺がいるではないか」
そう重低音のような声が背後から聞こえ振り返ると、カシャリと音を立てながら暗黒騎士とかそういう言葉が似合いそうな鎧を身に纏った男が近づいて来た。
「誰?」
「サドルカさんです」
少女の答えに少々唖然となる。
サドルカと言ったらアルムスと喧嘩していた張本人で…なんで二人は一緒にいるんだ?
「なんで二人は一緒にいるんだって顔してますね?」
顔に出ていたのか神様が心を読んだのかいずれにせよそれを考えていたのは事実なので首を縦に振る。
「所持者が同じなのだから同じ場所にいて当たり前であろう」
なるほどと、納得して更にもう一人…いや、一匹の存在に気づく。
「へーへーへー」
こちらに向いて舌を出している日本犬と思わしき茶色の犬。
一見して普通だが異常な点がある。
「燃えてる…」
その犬の前後の足と耳が赤い炎に燃えているのだ。
「こいつもしかして…」
「恐らく想像通り、炎の神剣の礎となったモノです」
こいつが、炎の神剣の礎?
「こいつは一体何者なの?普通の犬…じゃあないっすよね?」
「この子はですね、昔は私たち…人とは逸脱した神の世界の守護者、所謂ところの狛犬だったんですよ」
狛犬ってあの神社にあるアレ?
「その狛犬が剣となったのが貴方の持つ首飾り…炎の神剣って訳です」
なるほど、つまり今俺の足をベロベロ舐めているこの犬は凄い犬で俺を何度も助けてくれた存在な訳だ。
「なるほどな。いつもありがとね…えっと、名前ってあるんすか?」
しゃがんで狛犬の頭を撫でながらアルムスに問う。
「名前は特に無いですけど……」
「そっか、じゃあ『ホノマル』って呼ぼ」
俺の提案になんとなく困惑の色を見せるアルムス。
「予想はつきますが一応聞きますね…どうしてホノマルなんです?」
「ん?炎が出てる犬で、なんとか丸とかってかっこいいからホノマル」
「そうですか」
呆れたようなアルムスだがホノマルと名付けられた狛犬の方はなんとなくだが気に入ってるように見える。
「いつもありがとなホノマルゥ。これからもよろしくなぁ」
ついニヤつきながらホノマルとじゃれあっているとアルムスが咳払いをしたので一時中断する。
「まぁとりあえず座りましょ」
そう言われその場にあぐらをかいた。
アルムスは正座、サドルカは俺と同様にあぐら、ホノマルは俺の隣でおすわりしている。
なんだろう……とてもシュールな光景だ。




