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第4章 15「無理なゲーム」

「え?」

 フードを取った俺に混乱を隠しきれないジヨ。

「だって君は記憶喪失で…」

 それに対して深々と頭を下げた。

「本当に申し訳ないない。ジヨさんを騙してた」

「なんで…」

「俺はこの国の人たちと仲良くなりたい」

「そんな言葉信じられるわけないだろ」

 ジヨの言う通りだ。さっきまで騙されてた人間に仲良くなりたいなんて言われても…虫が良すぎる。

「つ、通報する。アンタのことを」

 それに対して俺も息を詰める。

「そっか、そうだよね。はは、当たり前だよね。僕は敵国の人間だもんね」

 ジヨはポケットから通信機器と思われるものを出した。

 黙々と俺の通報を進めているのだろう。

「ジヨさん…貴方に会えて良かった。右も左もわからない知らない土地で優しくしてくれたことは一生忘れない」

 俺が黒の大剣をどこからともなく出現させると、ジヨの警戒心は最高潮に高まったのだろう。身体を震わせている。

「ありがとう。この件が終わったらユウラを連れてまた会いに来るよ」

 ユウラ、という彼の兄の実名を出した途端、表情が和らいだ。

「またね」

 そう言い残し、黒の大剣を天高く向ける。

 上に上がるのをイメージし、空へと飛び上がる。

 そして次に狙いを向けたのはジヨがこの国の王がいると言った超高いビル。

 入り口は……えっと、見つけた。

 ビルの一階にドアを見つけ、そこからの侵入を試みるため一度地に足をつける。

「よっと」

 周りの人たちがこちらに集中しているのがわかる。なんて言っても侵入者だし、今から国のトップの人のいるビルに入ろうとしているのだ。まぁ至極当然だろう。

「さてと」

 ドアに近づくと自動でドアが上下に分かれて開かれた。

 付近に黒スーツの男が二人、こちらに気づき警戒している。

 戦うのも良いが、出来るだけ被害は出したくないので、

「走る‼︎」

 が、特に誰も追いつけないような速さで走れるわけでもないので結局…

「ちょっとごめんね」

 黒の剣を二本にし、後頭部を峰打ちした。

 追跡してきた黒スーツの二人は峰打ちされると、その場で伸びた。

 次は階段、またはエスカレーター、またはエレベーターとか。

 エレベーターはあったが、俺の侵入に気づいたからだろうか使用禁止になっている。

 エスカレーターは元から見当たらない。

 このビル登るのか…

 近くに見覚えのある非常階段のマークを見かけ、そこに階段はあった。

 背に腹はかえられぬと、俺は階段を駆け上がった。


 思い返せば最初から無茶なゲームだった。

 二日以内に国のトップに会う。日本で言ったらバカも程々にと言われるレベルだ。

 もっとちゃんと作戦を練るべきだったのかもしれない。

 まぁ全ては結果論でしかないのだが…

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