第4章 14「近未来な」
ジヨが連れて行ってくれたのは駅みたいなところで、
「はい、これ」
先ほど買っていた切符だろうか?
切符を買う際は手を画面に当てただけで…近未来感がすごいな!
俺の心情を悟られないようにジヨから何事もないように切符を受け取る。
駅のホームには線路がない。
少し疑問に思ったがすぐに電車が来て、その疑問も解けた。
驚くほど静かに来た電車は何の音を立てることなく静止した。
リニアモーターとかそういう類のものなんだろう…すごいな…
「ほら、マサキくん」
「あ、すみません」
ジヨに急かされ俺も電車に乗り込み、ジヨの隣に座る。電車にはあまり人がおらず、楽に席に座れた。
「マサキくんはいつまでフード被ってるの?」
そうか、ずっと付けっ放しか、でも取るわけにはいかない。
「すみません、これ取れないんです」
そっか、と別にそれ以上聞こうとしないジヨ。
ホントにごめんね…
窓の外の風景は目にも留まらぬ速さで移り変わる。とんでもない速さだ。
「ほら、降りるよ」
「はい」
ワンデアとも何ともアナウンスされることなく、その駅に降りた。
「ここが?」
「そう、ワンデア」
緊張から身体が震えているのを感じる。
「ついでに王様がいるっていうのが?」
「えーっとあそこかな?」
ビル群のなかでズバ抜けて高い建物を指差した。
デコに手を当て日光を避けながら頂上を見る。
「高すぎ…」
「なんて?」
「いえ、高いなぁ…って」
ビルの中にはモニターが付いている物もある。そこで映し出されているのは今朝の俺だ。
光の剣と黒の大剣で逃げ出したところがバッチリと流れている。
「うわぁ」
「ッチ」
横で舌打ちするジヨに少しだけ驚くが、その対象は多分俺なので八割型ショックである。
「あの国の人たちは嫌い?」
「当たり前だろ、好きな奴なんていないよ」
それもそうか、悪魔の国とか言われてたし。
「俺の兄ちゃん、この前の攻撃のときから帰ってきてないんだよ…」
「……」
その言葉に胸が痛む。敵にも家族はいる。
やっぱり戦いなんてしない方がいいし、殺すなんて以ての外だ。
「ユウラ兄…」
思い出すようにそう言うジヨ。
ん?
「今なんて言った?」
「え?」
「今なんて?」
「俺の兄ちゃんが…」
「その後だよ」
「ユウラ…兄」
ユウラってあのユウラだよな。
「目つきが悪くて」
「うん」
「筋骨隆々な?」
「よく知ってるね、記憶喪失なのに」
「ちょっと来てください」
俺はそう言ってジヨを物陰に連れ込んだ。
「君のお兄さんは生きてます」
「なんでマサキくんが知ってるの?」
バラすべきだろうか?
でもユウラの身内、今回のことがひと段落すればまた…
ダメだ。それまでユウラを死んだことにするなんて出来ない。
俺は意を決してフードを取った。
「騙しててごめんなさい。僕はその国から来たんです」




