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第4章 11「スリーバウンド」

 月明かりもない真っ暗な夜の中をどれくらい進んだろうか?

 こんなことなら時計を借りてくるべきだったと後悔しながら進むと、光が見えてきた。

 それはこの世界に来てから夜を照らしてもらってきた火の光ではない。しっかりと力強く光る。前世界ならエジソンが発明したで有名な科学の光だ。

 少しだけ懐かしく思い、感傷的になったがすぐに気持ちを切り替える。

 なぜなら俺があの光に懐かしさを覚えてもあの光の下に住む人々は俺を歓迎するどころかきっと殺しにかかると思われるからだ。

 身体を少し伸ばし、剣の火力を更に増加させる。

 ユウラからの情報だ。国への侵入がバレないなんてことはありえないためできるだけ速攻で入り込めとのことだ。

 アルムスの剣は目立つと思い消した。

 隔たりを無くすと風は容赦なく襲いかかる。

「さっぶ‼︎」

 そしてとうとう俺一人対国全体の喧嘩のゴングが鳴り響いた。

 赤いサイレンの音が鳴り響き、至る所を照らしている。

 自分の身体を捉えさせないようにその光を避けながら陸地を目指して進んでいく。

 日本の夜のような街並みが見えて、懐かしさから涙が溢れそうになる。

 港に到着と、思ったのだがこの剣はそう簡単には止まらない。

「ちょ、ちょっと待って!マジで‼︎」

 止まらない剣を間違えて首飾りに戻してしまい、地面を転がる。

「っが!っぐへ!っだは!」

 三回くらいバウンドしたところでゴロゴロと転がり、ようやく勢いが消えた。

「いててて…」

 ゆっくり身体を起こして周りを確認すると幸運なことに周りには誰もいない。

 そっと胸を撫で下ろし、身体の傷を気にするが擦り傷程度だったため今のところは放置しようと思う。

「さてと」

 まだ早朝のため人がいないのか、それともここは普通に人だかりが出来ないようなところなのだろうか。

 考えてもわかるはずがないと理解して、近くにある建物の物陰に隠れながら進んでいくと

「いたか!」

 そんな人の声にビクッとする。

「確かに侵入者の反応はあったのか?」

「間違いない」

 壁からゆっくりと顔を出し、確認するとそこには金髪の前世界でいうところの警察?と思われる格好をしている人々が数人で何かを探している。

 まぁ探しているのはきっと俺だろうが…

 日は昇り始めたばかりで、まだ少し暗く寒い。

 寒さか恐怖か、理由のわからない身体の震えを宥めようとするも以前直らない。

 こんなところで捕まってしまっては元も子もない。

 自分の両頬を叩き、気合いを入れて立ち上がる。

「よし!」

「いたぞー‼︎」

 それは俺のちょうど真後ろから発せられている声だった。

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