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第4章 7「おれはどこから?」

『どこから来た?』

 いつか聞かれるかもとは思っていたが、こんなに早く聞かれるとは。

 一体なんて答えれば良いのだろうか?

 自分は異世界から来た。と、伝えるべきだろうか?

 それとも何か他の言い訳で誤魔化した方が賢明だろうか?

「マサキ様」

「はい!」

 長考しすぎて怪しまれたのだろうか?

「答えづらいなら答えていただけるまで待ちます」

 伝えるべきなのだろうか…

 本当は今ここでそのことを話してしまいたい。

 そのことについて色々相談にも乗ってもらいたい。

 自分の国の楽しいことや面白いこと凄いことを話して笑ってもらいたい。驚いてもらいたい。

 でもそれは理想的な結末…ハッピーエンドであって一切、バッドエンドのことは考えていない。

 もしも、ユニアが受け止めてくれなかったら?

 もし、俺の国では科学が発達していることを間違えて話してしまったら?

 もし、ユニアと一緒にいられなくなったら?

「大丈夫ですか?」

「え!あ、うん」

 どうしよう…なんて言ったらいい。

「すみません。困らせるつもりはなかったのですが…この話はまた後日にしましょう」

「わかった」

 ごめんね。という言葉を発する前に飲み込み、そっと胸をなでおろした自分がいる。

 隠して現状維持という結末に安堵を覚えた自分がいる。

 いつかは話さないといけないのに…

 むしろ話さないでいられるはずがない。ユニアから聞かれていなければきっといつか自分から話していたであろう案件だ。

 あまりユニアに隠し事はしたくない。

 でも、まだ話せる内容ではない。

 今まであまり考えずに過ごしてきたが俺がこの世界に召喚された意味はなんなのだろう?

 偶然か必然か…それとも何か他の要因か?

 前世界の俺は死んだのだろうか?

 それとも俺は前世界の記憶を持っているに過ぎないロボットか何かなのか?

 まず、前世界の記憶自体が捏造だという可能性だって捨てきれない。

 世界は五分前から始まった。みたいな説を昔聞いたことがある。そういう類で俺の記憶だって捏造されてるかもしれない。

 本当に俺は日本で生き、日本で死んだのだろうか?

 考えれば考えるほど浮かんでくる疑問に頭を悩ませるが結論は決して出てこない。

 結局俺は日本という国で生きて死んだ記憶を信じるに他ならないのだ。

 でも、俺がこうしている前にいた前魔王はどうしたのだろう?

「ねぇユニア」

 隣で頬杖をつき何か遠くを見てる風のユニアに声をかける。

「どうしました?」

「俺の前の魔王って今はどうしてるの?」

「マサキ様の前の魔王様は…」

 ユニアは少し間を空けて口を開く。

「マサキ様の来る三日前に消されました」


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