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第4章 4「優しすぎて辛い」

「あんたが殺さなきゃ私は死んでたかもしれない。飛鬼だってユウラだって、クランだってユニアだって死んでたかもしれない。その可能性があってもあんたは剣を取らなかった方が良かったなんていうの?」

「それは…」

 確かにそうかもしれないけど…

「だったらいつまでそうしてるの?バカなの?まだまだやることいっぱいあるでしょ?」

「テニーそこら辺でやめときましょう」

 ユニアが止めに入るがヒートアップしたテニーは止まることを知らない。

「あんたの行動は仕方なかった。そうしないと私は死んでたかもしれない…死んでたかもしれないんだよ…」

 テニーは途中から涙を流していた。

「……」

 何も良い台詞が出てこない。泣いてる少女を前にして俺の口からは何一つ言葉が出てこない。

 そんな自分に呆れる。

「俺は…後悔してる」

「だから!」

「でも‼︎」

 テニーが話し始める前に割り込む。

「君らが思うような理由じゃないんだよ…」

「え?」

「俺は…俺は殺すことに何の躊躇も持たなかった。むしろ死んで当たり前、こいつらは殺さないといけない。そう思って殺してたんだ」

 この事には先程まで怒り混じりで話していたテニーも何も言えない。

「君らを助けるっていう大義名分はあった。でも、だからって当たり前のように殺していい命なんてあるわけない」

 自分の後悔を吐露し、きっと彼女たちは呆れてこの部屋を後にするだろう…

 そんな俺の予想を裏切り、ユニアは俺の身体を起こしてしっかりと俺を抱きしめた。

「え?」

「無理をさせてしまいました」

 ユニアが何を謝っているのかわからないまま否定する。

「ユニアが謝る事じゃない」

「いえ、私たちが謝る事です」

 即座に否定され、ユニアは更に言葉を続ける。

「私たちのせいでマサキ様に迷惑をかけてしまいました」

 違う

「したくもないことをさせてしまいました」

 違う

「あなたの心に深い傷を与えてしまいました」

 違う

「人を殺させてしまいました」

 違う

「違う違う違う違う‼︎」

 ユニアの両肩に手を当てて、離れる。

「違う!悪いのは一から千まで全部俺だ!ユニア達は何一つ悪くない‼︎殺したのだって、傷つけたのだって、今だって俺が勝手に傷ついているだけで…」

 今日初めて見るユニアの顔は優しく微笑んでいる。その顔につい、言葉を失ってしまった。

「大丈夫ですよ。無理しないでください。辛かったら言ってください」

 ユニアのその言葉に涙が溢れた。

「なんで…なんで、そんな優しくするんだよ…悪いのは俺だ。もっと責めればいいのに…なんで、なんでなんだよ!」

 子供のように泣きじゃくる俺をユニアはそっと抱きしめ、

「大丈夫」

 と、言ってくれた。

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