空と海のはざまに
気付けば空を飛んでいた
雲が薄く広がる空
海が地球を抱いていた
水面で光が踊っている
上を見ると、太陽が大きかった
鼻を突くのは、潮の薫り
風が吹いてきた
僕は堕ちた
気付けば僕は沈んでいた
息を吐いたら泡ができた
泡はすぐに消えた
消える前に指でつついてみた
泡は消えずに指にまとわり付いてきた
僕はそれを握り潰した
少しだけさみしい
残ったのは、僕一人
すると、真っ黒な魚たちがやってきた
十匹くらいだろうか
僕の周りを少し泳いで何処かへ行ってしまった
また一人になった
暗い
冷たい
さみしい
目を閉じた
僕は沈んでいった
ふと気付けば空を飛んでいた
いつもそうだ
何回それを繰り返しただろうか
僕は嫌になった
堕ちて行く途中、手を広げた
フワリ
身体が浮いた
もう一度、空を飛んでいた
鳥が一匹飛んでいた
一緒に僕は飛んだ
島を目指して。