表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

ルーメン

 あれから5日経過した。結構グロかったが、死骸が変形していき、徐々に人の姿を取るようになってきた。


 そして、ついに6日目の朝が訪れる。木製の長椅子の上で寝ていると、何者かが、体を揺らしてくる。


『マ……スター、マスター』


「ぬっ!」


 美少女だった。とんでもない美少女だった。俺の理想を形にした様な美少女だった。しかも、全裸だよ。いろんな所が見えてるよ。胸が大きく、くびれがはっきりしている。肌は陶器のように白く、銀髪の無造作エアウェーブ。透き通った青い瞳は、すべてを見透かすようであった。


「イエス、マスターカムイ。おはようございます」


「おっ、おう――って、服を着なさい!」


「イエス、マスターカムイ。了解しました。」


 部屋の奥にあった修道服を着る事にしたらしい。少し小さかったらしく、胸元があいており、黒のタイツに、革のブーツ。動き易いように、スカートを太ももが見える感じに、引きちぎっている。


「イエス、マスターカムイ。どうでしょう?」


 見た目は、かなり美人なのに、どこか子供っぽく首をかしげる彼女。最高です。


「うっ!うん。いいよ。いいよ。まあ、これでも使ってくれ」


 【魔術師の魂】を彼女に溶け込ませる。


「イエス、ありがとうございます、マスターカムイ。さあ、[征服]を開始しましょう」


――荒野はどこまでも広がる。エラム周辺は、決して豊かな土地では無い。農業と狩猟をバランスよく行っている。畑だけでは生きていけないのだ。


 魔獣は、4足歩行の爬虫類系と哺乳類は特に犬や狼系統が遭遇しやすい。そして、この度相手となるのが、全長2メートルを超える狼だ。


 中には、変異した個体として、火を吐くものもいるそうだ。今目の前にいる狼は、30頭ほど。本当に、人間でも勝てるのかよ。群れの真ん中に、一周り大きな個体がいるよ。


「まずは目の前の敵を殲滅するぞ。俺は隠れてるから、お前がな――」


「イエス。放置プレーですね。マスターカムイ。受肉した途端、マスターの攻めが心地よく感じます」


「おま、おいっ!」


 悪戯に顔を赤らめている従者に、ある種の恐怖を感じながら、本物の敵を見据える。さあ、始めよう[征服]を――。そして、俺は身を隠した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ