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OLという生き物

 扉の向こう側は、中世ヨーロッパの田舎町のような所であった。

 広場と大き目の町長宅、その奥に住民の住居地区、東は市場、西は教会と墓地。


 『エル・ドラードシステム』により、マッピングされているので、自分の任意の角度で、町全体の構造が分かる。昔見たSF映画のように、視覚情報の右上に表示されている。表示の有無についても任意だ。バイタルも緑の波を打っている。自分の生命力を、視覚化するってのは面白いな。まるで、ゲームの画面じゃないか。


 教会に入ってみると、中央に石像が、置かれていた。その石像が、包んでいる手の中にはマナダイトらしきものがあり、輝いていた。


「俺は、百鬼神威。征服者だ。この地域は支配させてもらう」


 俺の声が、教会にこだまする。


『ナギリカムイ。私は貴方に従う義務はない。帰れ』


「は?俺専用の魔石が手に入るって聞いてたんだけど……」


『労働条件も提示しないモノに、私の力は貸せない』


「くっ!週休二日!」


『それだけでは、労働基準監督署に行かなければならない』


そんなのあんのかよ!


「1日の拘束時間は、8時間」


『その間、30分の休憩を4回要請する』


「くっ!わ、分かった。給与は、俺の給与から10%渡そう」


『貴方からキャリアアップの姿勢が感じられません。どうせ、薄給でしょう。TPを毎日一定量貰います。正確には、それで私のマナや生体能力の維持、向上を行います。それは、私の活躍いかんで、毎回更新させてもらいます。ОⅬは、権利のみ高らかと主張する生き物ですから――』


「ОⅬって、女かよ!適格にとらえてるじゃないか。お前の主とお前自身を――」


『御褒めに預かり光栄です。貴方の様な主を持った私の気持ちを少しはお察しいただき幸いです。あーあ、同期に見せる顔がないな~。同期会つら~。絶対皆に馬鹿にされる。最低のステータスじゃんうちの主様は――。あっ、それに『女かよ!』ってところセクハラです。次やったら、プレジデントバールに報告しますから』


同期って、石に同期もあるか!こいつっ!


「俺についてくるのか?それとも、そこで石ころのままで次を待つのか?」


『愚問です。後、最後に、TPだけでは無く、Gも月一定量貰います。お菓子の為です。女の子は、お菓子でできていますから――』


「くっ!好きにしろ」


 マナダイトがより輝いた。


『マスター登録申請――。承認完了。これより百鬼神威を、我が主と認め、いかなる時も主と共にある事を誓います。そして、貴方様の権能により覚醒した私の力は、支配権の主張。支配権の主張については、マナキューブを設置する事により可能になります。実質的な支配などいらないのです。基本的には、支配権の主張は必要ありませんが、今回の業務命令は、GF社の名声向上と聞いています。ある一定範囲では、高らかに主張が必要になります。』


「それでは、目を付けられかねないな」

 

『その通りです。マナキューブへの攻撃も想定されます。守備と侵攻を同時で行わなければなりますせん。幸い、マスターの能力に、【生成】がありますので、一定数のガーディアンを配置すれば、その両方が可能となるでしょう』


「俺に、そんな能力があるのか……」


『イエス。さあ、マスターカムイ。[征服]を始めましょう』

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