ゆったりした一日(後編)
「……ええ!? ご主人様の上に寝るの?」
「リゼットなら軽いから大丈夫だろ」
リゼットは少し考えると、頷いて俺の腰の上にまたがる。
「なんか、すごい恥ずかしいわね。
こんな感じでいいのかしら?」
そのまま、うつ伏せに倒れこむと俺の胸に顔をくっつける。
「リゼットの体ってふかふかして気持ちいいな。
それに、いつもより体温が感じられる」
「もう、恥ずかしいこと言わないでよ。
でも、ご主人様もあたたかい。
それにトクン、トクンって心臓の鼓動が聞こえる」
俺の胸に耳をつけて、安心したように目をつぶる。
「それ、うらやましいわね」
「私もやりたいです」
「気持ちよさそうだにゃー」
フィーナとティアどころかクラリーヌまで羨ましがってる……。
場所が無いから乗ってもらっただけなんだけど、思ったより好評らしい。
「わかったわかった。じゃあ、順番に乗るか?」
三人が期待を込めた目を向けてくる。
リゼットはちょっと残念そうな顔をするが、降りようと体を起こす。
「あ、待ってくれ。せっかくだから服を脱いでからもう一度、上に寝てくれないか?」
「え? 裸でご主人様の上に乗るの? ……恥ずかしいわ」
またがったまま顔を真赤にする。
「俺も脱ぐし、そのほうが肌が直接ふれあうから良くないか?
リゼットの体温を直接感じたい」
リゼットは、頬を赤らめながらも顎に手を当てて真剣な表情で考えこむ。
「ユウキ、いくらなんでもそこまでは……」
「わかった。服脱ぐわ」
「えぇ!?」
クラリーヌが止めようとしたが、リゼットは決意を込めて、ネグリジェの裾を掴むと勢い良く脱ぐ。
「……やっぱり下着もよね」
両腕で胸を隠しながら恥ずかしげに聞いてくる。
「ああ、そのほうが嬉しいな」
俺から降りると片手で胸を隠しながらショーツを脱ぐ。
俺もすぐにシャツとパンツを脱ぎ捨てた。
「本当に脱ぐのね。
アタシは出来るかしら……。
って、二人共すでに脱いでるしっ!」
クラリーヌが困惑しているのも構わず、フィーナとティアは脱ぎ始めていた。
「二人共恥ずかしくないの?」
「ご主人様のご命令ですし、それに……ご主人様と肌を合わせたいです……」
「にゃーは、裸のほうが楽しいにゃ」
リゼットが胸を手で隠しながら、俺の上に再びまたがる。
窓を閉めきっているため、部屋は薄暗いが、リゼットの体のラインがはっきりと分かる。
隙間から入る明かりに照らされて幻想的に見えた。
なおも胸を隠しながら俺の上に倒れこむと、俺の体で胸が隠れていることを確認しながら器用に腕を引き抜いた。
「どうかしら?」
俺の体とリゼットの体がピッタリと合わさり、まるで一つになったような錯覚を覚える。
先程はあまり感じなかったが、リゼットの鼓動が俺の肌に響いてきた。
「リゼットの鼓動が伝わってくる。すごく心地いいよ」
「あたしも……」
抱きしめると、白くてすべすべした肌を確認しながら、無言で抱き合う。
体がふわふわしたような感覚になる。
体の力が抜ける。・
無限の時が流れているような錯覚をしてしまう。
「ちょっ、ちょっと、いつまでそうしてるのよ」
ずっと見ていた、クラリーヌがたまりかねて声を出す。
「ああ、すまない。あまりにも心地よすぎて」
「なんかさ、二人の世界に入っちゃって、アタシ達は置いてけぼりで。
さっきは、一日中一緒にいるって言ってたのに……」
声が段々と小さくなると、目が潤んできた。
「まてまて、泣かないくれ」
「泣いてなんていないわよ」
クラリーヌは、涙を拭うとキッと睨む。
「ゴメンね。ご主人様の上があまりにも気持ちよくて。
あたしらしくないわね」
リゼットは慌てて俺から降りる。
「いいんですよ。だって、とっても気持ちよさそうでしたから」
「そうにゃ。にゃーもご主人様の上でゆっくりしたいにゃ」
フィーナとティアは気にしてなさそうだ。
「アンタ達は、ずっと見てるだけで平気なの?」
「大丈夫です。ご主人様は絶対に平等にしてくれますから」
「リゼットが長い時間楽しむなら、にゃー達もそれだけ楽しめるにゃ」
「そうなの? なんか、アナタ達の信頼感ってすごいのね」
「じゃあ、次はクラリーヌが乗るか?」
「えっ……、アタシは最後でいいわ。恥ずかしいし」
「そうか、なら次はフィーナだな」
「はい!」
元気に声を上げると、すぐにまたがる。
胸を隠しているけど、急いでいるから激しく揺れて、綺麗なピンク色がチラチラと見えている。
逆にエッチいな。
俺の上に倒れこむと、大きめの胸がムニュリと潰れる。
「胸、苦しくないのか?」
なんか、押しつぶされて窮屈そうに見えるが。
「平気です。それに、リゼットの言う通りとっても安心します」
「そうだな。今まで知らなかったのが勿体無い気になってくるな」
「はい……」
フィーナも俺の胸に耳をつけると、目を閉じてリラックスする。
抱きしめつつ、肌の感触を確かめると吸い付くようなしっとりとした肌が心地いい。
フィーナの体は、心臓の鼓動が早くて体が温かい。
リゼットと違って少しドキドキしてくる。
フィーナもドキドキしているみたいだ。
「ご主人様の鼓動が早くなってます」
「ああ、フィーナもな、何でだろうな?」
「たぶん、愛しいからだと思います」
そのまま、しばらく心臓の鼓動を感じていた。
「次はにゃーの出番にゃ」
十分に俺の上を堪能したのか、フィーナはごきげんな様子で俺から降りる。
入れ替わりにティアが、勢い良く俺にまたがってきた。
全く隠そうとしないから、丸見えな大きな胸が暴れまわってる。
そして、勢い良く倒れこんできた。
「ぐふっ」
「大丈夫かにゃ?」
「いくら柔らかい胸でも、大きいから圧力がすごいな。
かなり重いけど肩こらないか?」
手で触ってて重さは感じてたが、実際に上に乗ってくると、想像以上に重い。
「昔から大きかったから慣れちゃったにゃ」
「昔からって、小さい頃からか?」
思わず生唾を飲み込む。
「うーんと、たぶん、8歳ぐらいから大きくなって、10歳ぐらいには、これくらいあったにゃ」
今でも年齢に比べて幼い顔立ちだが、ロリ巨乳だったとは誠にケシカラン。
その姿の時に出会いたかった。
「にゃー、ご主人様の肌が気持ちいいにゃー」
俺の胸に頬をあててスリスリとしてくる。
ちょっとくすぐったいぞ。
キモい良さそうにヘタれている耳を撫でると、ピクピクと反応してる。
「ふにゃ~」
気持ちが良いのか、力を抜いて体重を俺に預けてきた。
ムチムチとしたティアの肌を感じながら俺もゆっくりと力を抜いていく。
「さて、ティアも満足したか?」
「ずっとこのままでいたいけど仕方ないにゃー」
とろーんと溶けた顔をしたまま、ずれ落ちるように俺から降りる。
「とうとうアタシの番ね」
妙に緊張した顔をしているクラリーヌ。
「服、脱がないのか?」
「今から脱ぐわよ。恥ずかしいから目をつぶってて」
仕方なく言われたとおりに目をつぶると、シュルシュルと布が擦れる音が聞こえてくる。
「乗るわよ」
見たい。
見たくて仕方ない。
薄目なら気づかれないかもしれないな。
こっそり見ちゃおうかな……。
「目を開けたらぶん殴るからね」
やっぱりやめておこう。
俺にまたがると、ゆっくりと倒れこんできた。
形の良いおっぱいが、俺の胸を圧迫する。
「もう開けてもいいわよ。あ、でもジロジロ見たら殺すから」
こええ。
でも、見ないなんて勿体無いことは出来ない。
目を開けると真っ赤な顔のクラリーヌがいた。
「うう、みんなが見てるし、すごい恥ずかしい」
「力を抜かないと楽しめないよ」
緊張しているためか、体がガチガチになっていて、リラックスどころではない。
「ほら、ちから抜いて」
「わっ、わかってるわよ」
少しづつだけど、体の硬さが取れてきて、体は合わさり重さを感じてくる。
「どうだ?」
「恥ずかしいのは変わらないけど、みんなの言う通り安心する」
「ああ、俺も安心する。なんか安心しすぎて眠くなってきた。ふゎー」
急に大きなあくびが出た。
まぶたが重い。
「うーん、眠い」
「え? このまま寝ちゃうの? 重いでしょ?」
「クラリーヌはリゼットの次に小さいし全然重くないよ」
「でっ、でも、みんなに悪いわよ」
慌てた様子のクラリーヌに、リゼットが優しく声をかける。
「ご主人様がリラックスしてるみたいだし、いいんじゃない?
昨日の戦いで疲れてるだろうし、眠らせてあげて」
「そうですね。ご主人様の疲れが取れるのが一番です」
「にゃーも眠くなってきたにゃ。ふにゃ~~」
俺のあくびが写ったのか、ティアも大きなあくびをする。
「えっ! でも、アタシだけって……」
「ごめん。もう我慢できない……」
強烈な睡魔に襲われ、クラリーヌの心地良い重さと肌の感触を感じながら眠りについた。
……
再び、目をさますと、まだ日は高かった。
下を向くとフィーナの頭がある。
あれ?
なんで、フィーナ?
「あっ、起きちゃいました?」
「なんでフィーナが乗ってるんだ?」
フィーナが言いにくそうにしていると、代わりにリゼットが説明する。
「ご主人様があまりにもぐっすり寝てるし、クラリーヌも乗ってるのに疲れたっていうから順番に乗ってたの」
「そんなことしてたのか?」
っていうか、それで起きない俺も大概だな。
「ふぁー、一眠りしたらだいぶ元気になってきた」
「確かに元気になってますね……」
フィーナが何故か照れている。
それに、お腹の当たりに妙な圧迫感が……。
ああ、なるほど、フィーナの言う通り、俺の下半身も元気になっていた。
さっきまでやってた事を考えると急にムラムラしてきた。
そりゃそうだ、これで元気にならないほうがおかしい。
これは、アレだな。
夢魔のしわざに違いない。
誰に言うでもなく心のなかで言い訳をする。
「あー、フィーナよ」
「はい、何でしょう?」
なんとなく察したのか、頬を赤らめながらも嬉しそうな顔を向けてくる。
「その、なんというか……まあ、はっきり言えば、したいのだが」
「はい、もちろん大丈夫ですよ」
「うらやましいにゃー」
「ティアも後で相手してあげるからな。というかしたい。もちろんリゼットもクラリーヌもな」
「ふにゃにゃにゃ」
ティアは、妙な声を出して喜んでいる。
「まったく、ご主人様はエッチね」
リゼットは、呆れながらもまんざらでもない様子だ。
「しょっ、しょうがないから相手してあげるわ」
クラリーヌは、顔をそむけながらも期待しているのか、ソワソワしている。
今日はまだ長い。
4人とじっくり楽しむ事ができる。
久しぶりに最高の一日だ。
「ご主人様、大好きです」
たまりかねたように、フィーナが情熱的なキスをしてきた。