盗賊ギルドと魔法院(前編)
朝、気が付くと、顔に柔らかい物があたっていた。
目を開けると、眼前には、巨大な山が二つそびえ立っている。
白い衣に覆われているため、その山頂は見えないが、まさに絶景という言葉が似合う。
俺は、その山の間に顔を埋めると感触を楽しんだ。
「ご主人様はおっぱいが好きだにゃー」
ティアーヌはギュッと俺の頭を抱きしめる。
うっぷ。
息苦しい。
昇天してしまう。
でも、このまま天国に行くのも悪くないかも。
おっぱいには幸せが詰まっているというのは本当だな。
おっきい方がいっぱい詰まっている。
顔をグリグリと動かすと、ティアーヌは「にゃー」と嬉しそうにしている。
そうやって、ティアーヌの大きなおっぱいを楽しんでいると、後ろから抱きしめられた。
こぢんまりとした感触からしてリゼットだろう。
寂しいから抱きしめているのかと思いったが、小さな胸を一生懸命、ふにふにと押し付けてくる。
おっぱいで対抗意識を持ったみたいだ。
その態度が、かわいかったので、ティアーヌの胸から顔を離して後ろを振り返る。
「ご主人様はやっぱり大きな胸が好きなのね」
リゼットは、少し不機嫌な表情をしていた。
「そんなことないよ」
と言った後に、リゼットの小さなおっぱいをぷにぷにと揉む。
ふにふに、ぷにぷにと小さな胸の感触を楽しむ。
そして、ネグリジェをたくし上げて吸い付く。
前言撤回、おっぱいは小さくても幸せがいっぱい詰まってる。
おっぱいを吸いながら顔色をうかがう。
リゼットは目が合うと恥ずかしそうに目線を反らして目を閉じた。
吸い付いていると、今度はティアーヌが後ろから抱きついてきた。
大きな胸が潰れて広がる感触がよく分かる。
背中でおっぱいの感触を楽しむのもいいな。
これは、新境地かもしれない。
自分からでは出来ないという所もポイントが高い。
接触している面積が大きくなった分、柔らかさをより多く感じれる。
前と後ろからのおっぱいの感触で幸せいっぱいになっていると、さらに、リゼットの後ろにいるフィーナが俺の手を取って自分の胸に導いてくる。
リゼットの上から手を回しフィーナのおっぱいを揉みしだく。
大きさはティアーヌより小さいが、引き締まっていて弾力があり中身が詰まっている感じがする。
触り心地が素晴らしい。
三人のおっぱいは、黒い三連星ならぬ白い三連星だ。
いや、二つずつあるから六連星か。
ジェットストリームアタックも真っ青だ。
こんな攻撃を受けてはア○ロもあっという間に倒されてただろう。
もちろん、俺なんかはイチコロだ。
……
……
今日は剣の訓練場に行くのはやめて盗賊ギルドに来ている。
フィーナが強くなるためには、剣の腕を鍛えるより盗賊のスキルを覚え上級職になったほうが早いと言う助言を受けたからだ。
盗賊ギルドは、暗く、警戒心が強く排他的だった。
というイメージを持っていたが、そんなことは全く無かった。
盗賊ギルドの建物に入ると、ギルドの人が一斉に『いらしゃいませ』と言ってきて、カウンターまで案内してくれた。
まるで、ド○モショップの様な丁寧な接客だ。
「今日はどんな御用でしょうか?」
カウンターの綺麗な女性が笑顔で接客してくれる。
服装などの見た目も普通だ。
フード付きのローブを着て顔を隠してたり、ボンテージを着てムチを持っていることもない。
「俺が持っている盗賊ギルドのイメージとは随分違うな」
「あたしもちょっと面食らったわ」
「よく言われるんですよ。ここのギルド長は商売熱心で、『盗賊ギルドのように普通の店では扱わない商品を扱うからこそクリーンなイメージが大切だ』って言って接客に力を入れてるんです」
「盗賊ギルドは違法なことはしないんでしたっけ?」
「その通りです。仕事の内容は、ダンジョンでの罠解除や鍵開け、情報収集、モンスターや賞金首の暗殺、アイテム収集などです。逆に、街の人たちに危害を与えてたり、物を盗んだりする様な犯罪行為は禁止されています。もし、犯罪行為に及んだ場合には、ギルドから追放されるので会員になっているだけでも犯罪を犯していない証明になるんですよ」
「それは便利だな。ん? ってことは、元犯罪者のフィーナは会員になれないのか?」
心配でリゼットに聞いてみるが、受付の子が答える。
「えーと、失礼ですがユウキ様ですか?」
「ええ、そうです。領主様から利用できるようにしてもらっているはずだけど」
「はい。うかがっています。フィーナ様はユウキ様の所有物なんですよね?」
少し遠慮がちに、周りに聞こえないようにヒソヒソと聞いてくる。
「そうなんだ」
「それなら、大丈夫です。ユウキ様が保証人として了承すれば問題ありません。
その代わり、何か問題が発生した場合はユウキ様が責任を取る必要があるので注意してください」
「ああ、それなら大丈夫だ。俺が責任を持つ」
良かった。
フィーナがギルドに入れなかったら、どうしようかと思ったが問題なさそうだ。
「ご主人様、ありがとうございます」
フィーナが俺に頭を下げてきた。
「フィーナは俺の物だからな。責任をとるのは当たり前だ」
「はい! ご主人様の物になれて私は幸せです」
フィーナは、俺の手を握りしめて、潤んだ瞳で見つめてきた。
ちょっとカッコつけてみたけど、想像以上に感激したようだ。
こういう素直なフィーナはほんとうにかわいい。
思わずキスしたくなっちゃう。
「んっ!ん!」
俺が見つめ返していると、リゼットがわざとらしく咳払いする。
リゼットを見るとツンッと顔を逸らした。
ヤキモチを焼いてるのだろうか。
だとしたらかわいいな。
「じゃあ、会員の手続きを頼む」
リゼットの頭を撫でつつ受付に言う。
リゼットは恥ずかしそうな、迷惑そうな複雑な表情をするが素直に撫でられている。
「領主様からの依頼で、すでに会員登録は終わっているので、すぐに利用できます」
特に手続きは必要ないらしい。
そういえば、訓練場や魔法院でも特に何もしなかったな。
リゼットを撫でていたら反対の腕にティアーヌが腕を絡めてきた。
そして、明らかに大きな胸を押し付けてくる。
ティアーヌを見ると頬を膨らましている。
今度は、ティアーヌがヤキモチを焼いたらしい。
嬉しいが、周りの視線を考えると、ちょっと恥ずかしい。
しかし、無理やり剥がすのも可哀想なので、そのままにしておく。
「初めての利用の様ですので、誰か案内を付けましょうか?」
「そうしてくれると、ありがたいです」
「それなら、わたくしが案内してあげましょうか?」
満面の笑顔を浮かべ可愛らしい女性が横から話しかけてきた。
全体にダブダブの服を着ていて、首周りもゆったりとしているため片方の肩が半分出ている。
袖も長く手が完全に隠れて垂れ下がっている。
ズボンも長く、靴が隠れるほどだ。
「では、リュナさんお願いします」
また女性か。
この世界に来てから女性とばっかり絡んでいる気がする。
これも、創造主様の御導きなのかも知れないが、これ以上女性関係でごたごたを増やしたくない。
さっきからこっちを見ていて、話しかける機会をうかがってたみたいだし、別の人にしてもらいたい所だ。
「お、ユウキじゃないか。こんな所で会うとは奇遇だな」
ドラゴンファングのカジミールがボサボサの頭を掻きながら話しかけてきた。
「あれ? カジミールはレンジャーでしたよね」
「ああ、俺はレンジャーとは名ばかりの何でも屋だからな。
情報収集やスキル獲得の為によく来るんだ」
カジミールは、ひょうきんで気さくな人柄なため顔が広い。
酒場なんかでも分け隔てなく誰とでもしゃべる。
やや面長でいつもにやけている三枚目な顔も人当たりがいい理由の一つだろう。
「丁度いい。カジミールは知り合いだし、彼に案内してもらいたいな」
「ああ、俺は構わないが……」
と言って、カジミールはリュナの表情をうかがう。
「カジミール、わたくしがいれば十分ですよ」
にっこりとした表情でカジミールに話しかける。
「リュナさんがこう言っているんで」
カジミールは頭を掻きつつ申し訳無さそうな顔を俺に向けた。
どうやら、リュナには口を出しづらいらしい。
無理やりお願いするのも悪いな。
「わかった。カジミールありがとう」
カジミールはやれやれという表情で離れていった。
そうして、仕方なしにリュナに盗賊ギルドを案内されることになった。