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異世界の一日(6:00)

 朝、まだ日が昇る前に目が覚める。


 異世界に来て一ヶ月もたってないが、今の暮らしもだいぶ慣れてきた。

 モンスターとの戦いも危険は少ないし、生活も安定してきた。

 この世界に来て最も良かった事は、冒険者仲間でもあり彼女でもある三人の少女と仲良くなれたことだ。


 異世界に来られて本当に良かった。


 ぼんやりと天井を眺めながら充実感を堪能していると、その彼女の一人であるフィーナが。起きたばかりの俺におはようのキスをしてくれる。

 毎朝のキスはお互いを確認しあう神聖な儀式だ。

 チュッとキスすると、天使のようなキラキラしたほほえみで挨拶をしてきた。


「おはようございます。ご主人様」


 17歳という少し幼さを残した顔がとても愛らしい。


「おはよう。フィーナ」


 彼女の肩ほどの長さの黒髪が顔にかかりくすぐったい。

 存在を確かめるために抱きしめる。

 適度な弾力がある大きめの胸が、俺の胸に潰される感触は最高だ。

 シーフとして鍛えられた体は、その胸とは相反あいはんして細く引き締まってる。

 ネグリジェの様な寝間着越しに、腰からお尻のラインを確かめるようにまさぐると、くすぐったそうに身をくねらせながら嬉しそうに笑った。

 しばらく、体の感触を味わった後、名残惜しさを残しつつも体を離す。


 次はリゼットが遠慮がちにキスをしてくる。


「おはよう。ご主人様」


 恥ずかしがり屋のリゼットは照れた笑顔を浮かべる。

 その上目遣いのテレ顔は、何度見てもドキリとさせる。


「おはよう。リゼット」


 身長ほどの長さがある銀髪が小さい体に絡まって、顔の幼さとは違った妖艶な雰囲気を感じさせる。

 長い髪は、ただ切るのが面倒だから伸ばしていたらしい。

 俺が『細くてさらさらとした綺麗な髪だ』と褒めたら最近はこまめに手入れをしているようだ。

 そういう隠れた努力をする健気さにいとおしさを感じる。

 その手触りの良い髪と共に頭をなでる。

 47歳という年齢を気にしてか、頭を撫でられた時のぎこちない上目遣いの笑顔がかわいくて、ついついなでてしまう。

 かわいさからギュッと抱きしめる。

 膨らみかけで止まってしまった胸は、小さいながらも確実に存在感を示していた。

 小さい体はふにふにと柔らかく肌もすべすべでキメが細かい。

 寝間着の下に手を入れて最高の肌触りを堪能した後に開放する。

 彼女は俺の胸板が好きなようで、離れるときに胸の筋肉の感触を確かめるように触っていく。


 最後はディアーヌだ。

 自由奔放な猫族の娘は、待ちわびた様子で勢い良くキスをしてくる。


「ご主人様! おはようにゃ」


 ティアーヌはいつも元気がいい。

 その元気さに朝の気だるさも一気に吹き飛んでしまう。


「おはよう。ティアーヌ」


 彼女は頬ずりをするのが好きで、猫が甘える様にこすりつけてくる。

 頬ずりをしてくるとトラ猫のような独特な縞模様の長めの髪がファサッと揺れる。

 彼女は背中をなでられるのが好きで、特に尻尾の付け根の部分が気持ち良い様なのでマッサージするように撫でてやる。

 しばらくすると体を震わせて脱力してしまった。

 脱力して俺に覆い被さると大きな胸が俺に乗っかってくる。

 かなりの重量を持つそれは、とても柔らかく俺の体に合わせる様に形を変える。

 抱き締めると、女性らしい肉付きのいい体はぷにぷにと心地よい。

 胸やおしりの柔らかさを堪能すると身体を離す。


「うー。もっと、イチャイチャしたいにゃ」


 不満そうな表情で言うと、すがり付くように身体を再び寄せてくる。


「夜になったらたっぷり、相手してあげるから」


 あやすように言うと、不満げながらも身体を離した。


 三人とのおはようのキスが終わると、リゼットとティアーヌが朝食を準備するために寝室を出て行く。

 フィーナは俺と愛しあう為に残る。

 前は遠慮していたが、彼女たちは朝からでも俺と触れ合えるのが嬉しいらしく、一人ずつ相手をしてもらっている。

 

「ご主人様? 何を笑ってるんですか?」


 不思議そうな顔をして俺に聞いてくる。


「フィーナが朝にエッチをするのを我慢していたって言ってたのを思い出してな」


 その言葉に、顔を真っ赤にすると、恥ずかしさに身悶えながらベッドに突っ伏した。


「そのことは忘れてください」


 シーツに顔を埋めているにもかかわらず聞き取りやすい綺麗な声が耳に心地いい。


「ああ、そういう約束だったな。すまない」

「ご主人様は意地悪です」


 頬を膨らませて睨んでくる。

 出会った時には、主従関係を気にしてか、そんな表情は見せてくれなかったが、最近は随分と感情を表に出すようにしてくれている。


「ごめんな」


 抱き寄せて頭をなでる。


「謝らないでください。ご主人様のすることならすべて嬉しい事でもあります」


 長年捕まっていた盗賊団から助け出したとはいえ、俺自身が不思議に思うほどフィーナは俺に尽くしてくれる。


「なあ? なんでそこまで俺を信頼しているんだ?」

「盗賊団から私を救ってくれたからですよ?」


 なぜ今更そんなことを聞くのか?

 そう言いたげな表情で聞き返してくる。


「じゃあ、俺じゃなくても救ってくれる人だったらつくすのか?」


 少し意地悪な質問とも思ったが、『なぜ俺なのか?』が気になった。


「そんなことはありません。

 優しくて強くて頭が良いご主人様だからこそです。

 それに、ご主人様は私に生きる意味を教えてくれました」


「生きる意味?」


「私は、自分の手で団長を殺す事が出来たとしても、盗賊を続けるか暗殺者になるか。

 そんな、闇の世界で生きるしか道はないと思ってました。

 でも、ご主人様と出会うことで、ご主人様を守るという目的を持つこと出来たのです。

 自分が今まで磨いてきた盗賊の技術や暗殺の技術は、その為に学んできたんだって。

 そう思えたんです」


 だからフィーナは俺を守ろうといつも必死に動いてくれていたのか。

 自分に守る価値があるなど到底思えない。

 でも、フィーナに目標が出来て幸せになれるというなら良いのだろう。


「ありがとうな」


 お礼を言いながら抱きしめた腕を強める。


「そんな!

 お礼を言うのは私の方です。

 こんな幸せな毎日が送れるなんて夢のようです……」


 照れ隠しなのか、すこし潤んだ瞳ではにかむ。

 そして、俺の胸を撫でまわす。


「それに、エッチで少しヘンタイなご主人様も好きです」


 どうやら話に夢中になってしまったため、彼女は待ちくたびれたようだ。

 最近では、フィーナのほうが随分とエッチになってしまった様に思うが、口には出さない。

 優しく口付けを交わすと覆いかぶさる。

 彼女は、嬉しそうに俺を抱きしめた。


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